鹿児島県警は2025年11月14日、他人の下着をのぞこうとしたなどとして巡査長を減給10分の1の懲戒処分としたことを明らかにした。わずか数か月前にも別の警察官が無断撮影で処分を受けており、県警の再発防止策の実効性に疑問が投げかけられている。
他人の下着を盗撮、被害者は4人に
県警によると、10月30日付で減給の懲戒処分を受けたのは鹿児島県警の巡査長である。この巡査長は2025年7月から8月にかけて、鹿児島県内でビデオカメラを使って他人の下着をのぞこうとしたり、衣服の上から下着を撮影したとされている。被害者は4人に上るという。
警察は10月30日、県不安防止条例違反に該当するとして巡査長を10分の1の減給、3カ月の懲戒処分とした。巡査長は11月14日までに書類送検され、現在捜査中とのことだが、警察は「公表の基準にあたらない」として、巡査長の所属や年齢、性別や認否について明らかにしていない。
前回の不祥事から間もなく再発
今回の事案は、県警が2025年8月に別の巡査部長を減給1カ月の懲戒処分としたばかりの状況で発生した。その事案では、巡査部長が県内で服を着た人の尻などをスマートフォンで無断撮影したとして処分を受け、10月14日付で不起訴処分となっている。
この8月の事案について、県警の岩瀬聡本部長は10月30日の定例記者会見で「深刻に受け止めている。県民の皆様に大変申し訳ない」と謝罪。県警幹部も出席した会見で「職員に対する指導をより一層強化することで綱紀粛正を図っていきたい」と述べていた。
再発防止策の効果に疑問符
県警では元幹部の逮捕など不祥事が繰り返されたことを受け、2024年8月に警察職員としての自覚を養うことや情報漏えい防止などを定めた再発防止策を策定した。しかし、2025年も警察官の懲戒処分が続いており、その実効性が問われている状況だ。
皮肉にも、今回の巡査長の懲戒処分が公表されたのは、再発防止策の見直しと強化策を発表する予定だった11月14日のことだった。
今回の不祥事を受け、安達警務部長は「不祥事が続く、非常に憂慮すべき事態。県民の信頼回復には至っていない」とコメントしている。
(動画で見る:「また起きた」再発の根本原因は?鹿児島県警 巡査長が下着盗撮で処分)
