個人情報が掲載された警察の内部資料を第三者に漏えいした疑いで、鹿児島県の49歳の現職警察官が逮捕・送検された。県警の情報漏えいを巡っては、100件以上の事件資料が流出したおそれが指摘されている。

警察官が捜査資料を第三者に…

地方公務員法違反の疑いで送検されたのは、鹿児島・曽於警察署地域課の巡査長・藤井光樹容疑者(49)。警察によると、藤井容疑者は鹿児島県警本部の公安課に勤務していた2023年6月、自身のスマートフォンで個人の犯罪経歴の情報を第三者に送ったり、2024年3月、被害者の実名、捜査状況などが書かれた捜査資料数十枚を同じ第三者に郵送したりした疑いが持たれている。

地方公務員法違反の疑いで逮捕・送検された現職警察官の藤井光樹容疑者
地方公務員法違反の疑いで逮捕・送検された現職警察官の藤井光樹容疑者
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藤井容疑者は警察の調べに対し、「間違いない。県民と警察に迷惑をかけ申し訳ない」と話し、容疑を認めているということだ。

県警の情報漏えいを巡っては、ウェブメディアで100件以上の県警の捜査資料や300人以上の個人情報が流出したおそれが指摘されていて、県警は藤井容疑者との関連について調べている。

個人所有のスマートフォン使い犯行

現職警察官の逮捕を受け、鹿児島県警は、警察官の不祥事や服務規程違反の捜査を行う監察官のトップ・牛垣誠首席監察官が事件について説明した。冒頭のみ撮影が許可され、牛垣首席監察官は「職員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、改めて深くおわび申し上げます」と謝罪した。

鹿児島県警・牛垣誠首席監察官
鹿児島県警・牛垣誠首席監察官

説明によると今回、外部に郵送された捜査状況の一覧表は数十枚だが、それがウェブメディアに掲載されているものと同一かは捜査中とした。

藤井容疑者は個人所有するスマートフォンを犯行に使っていた。一方で、犯罪経歴情報を送信したメッセージに関して、画像やPDFファイルの種類や使用したアプリについては「捜査に支障がある」として詳細を明らかにしていない。

「第三者」との金銭やりとり確認できず

藤井容疑者の犯行に関わった「第三者」について、県警は、藤井容疑者が個人の犯罪経歴の情報を送信したのも、捜査状況の一覧表を郵送したのも、ともに「同じ第三者」だと明らかにした。

一方、その「第三者」と藤井容疑者との関係やどういった人物であるかは特定できておらず、法人や団体である可能性も含め捜査している。また、藤井容疑者と第三者との間での金銭のやりとりは確認できていないとした。

個人の犯罪経歴や事件経過の一覧表はどういった職務の担当が扱えるのか。県警は「業務上の必要性がある職員は扱える」としている。当時、藤井容疑者は県警本部の公安課に勤務していて、一覧表へのアクセス権を持っていた。

県警は、犯罪経歴を送信された人や事件経過の一覧表に記載がある人については確認が取れ次第、通知や謝罪を行う方針だ。

(鹿児島テレビ)

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