食卓を彩り、私たちの健康を支える四季折々の野菜と果物。せっかくなら、おいしく上手に食べたいもの。野菜と果物を知り尽くした“野菜ソムリエ上級プロ”で“果物ソムリエ”の堀基子さんが、おいしさと栄養を余すところなく引き出す方法をお伝えします。
文・写真=堀基子
近年、スーパーなどの店頭に並ぶりんごの種類がとても豊富になっています。見た目の色だけではなく、甘味と酸味のバランス、食感や歯ごたえも、品種によってそれぞれに個性があります。そこで今回は、自分好みのりんごを見つけるため、品種ごとの特徴を紹介します。
代表的な「ふじ」と「サンふじ」の違い
現在、日本には約2000種、世界には約1万5000種のりんごがありますが、国産りんごの代表品種といえば、まずは「ふじ」です。りんごの国内生産量の約半分、世界一のりんご生産国である中国の生産量の約2/3を占めている品種が、この「ふじ」なのです。
縞状に赤く色づく果皮が美しい「ふじ」は、酸味と甘みのバランスがよく、ジューシーで、シャキシャキとした歯ごたえが特徴です。通常の「ふじ」は袋をかけて育てるので、皮が守られて表面がツルツルとして光沢があり、袋を外して一気に太陽の光を浴びさせるため、鮮やかに赤く色づきます。
一方、袋をかけずに育てたものは「サンふじ」と呼ばれ、表面にザラつきがあり、長く太陽光を浴びて育つので糖度が増し、より濃厚な味わいで、蜜入りもよくなります。
香りが独特の青リンゴ「王林」
「ふじ」に次いで国内生産量が多い品種の一つが、青りんごの定番「王林」です。
国内生産量の約半分を占める1位の「ふじ」、2位の「つがる」、3位の「王林」、4位の「ジョナゴールド」を加えた4品種だけで、国内生産量の約8割に達します。酸味が少なく、糖度が高く、ジューシーで、独特の香りもあり、根強いファンが多い品種です。
