福井県の三方五湖では、伝統漁法「たたき網漁」が1日から始まり、魚を追い込むため、漁師たちが長い竹竿で湖面を叩く音が響きました。
たたき網漁は、三方五湖の一つ若狭町の三方湖で江戸時代から続く伝統漁法です。
水温が下がり動きが鈍くなった魚を、竹竿で湖面を叩いた音で驚かせ仕掛けた網に追い込む一風変わった漁法で、冬の風物詩なっています。
1日は、鳥浜漁業協同組合のメンバー6人が5隻の船に分かれて漁に臨みました。
漁師たちは船の上に立ち、長さ4、5メートルの竹竿を大きく振り下し、何度も湖面を叩いて魚を追い込んだ後、仕掛けた網にかかったフナなどを次々と取り上げていきました。
たたき網漁は、2019年にウナギの筒漁など三方五湖の他の伝統漁法と共に日本農業遺産に認定されました。
漁師は「45センチくらいフナ(が獲れた)。大きい方。この三方湖で取れたフナをたくさんの人に食べてほしい」と話していました。
三方湖のフナやコイは臭みがなく、刺身はコリっとした歯ごたえと独特のうまみが特長です。
たたき網漁は来年3月まで行われますが、流通が限られているため購入を希望する場合は漁協へ問い合わせが必要です。