毎月かかる費用の内訳は、(1)介護保険サービスの自己負担分(デイサービスやホームヘルパーなどの利用料など)、(2)介護保険に含まれない生活支援サービス代(介護タクシー、配食サービスなど)、(3)衛生用品代(おむつなど)、(4)施設に入居した場合の居住費や食費などです。
初期費用とは、在宅の場合はおもに自宅のリフォーム代や介護用品の購入費用です。
それらを合計した平均額は月約9万円で、初期費用は47万円ほど。介護の平均期間は55カ月なので、540万円くらいかかると考えるといいでしょう。
ただしこれは、あくまで平均額。各家庭で介護費用は大きく違うのです。介護に「かかる」費用ではなく「かけた」費用だということをお忘れなく。
そもそも誰が負担するの?
Q.介護にかかるお金は子どもが負担すべき?
A.「介護は親のお金で」が大前提です
お子さんがよほどお金に余裕があるなら別ですが、そうでない場合には介護費用は親のお金でまかなうべきだと私は思います。
子どもとしては「自分が介護できない分、少しでもいい施設に入れてあげたい」と思うかもしれません。でも子ども世代だって教育費や家のローンがあったり、自分の老後に向けた貯蓄を始めたりする時期です。
最初は「1~2万円くらいならなんとかなる」と思っていても、介護は何年続くかわかりません。施設にかかる費用は必ず値上がりするので、不足する分を子どもが負担することになります。
子ども自身だってそのうち年金生活になることも考えなくてはいけません。「介護は本人のお金で」が大原則です。
ですから、施設探しをする前に親の年金額と総資産を確認することは必須です。実態を知らず、高級ホームばかり見学しても意味はありませんから。施設のグレードは、年金と預貯金、さらに不動産の売却額を加えた総資産で検討します。
