鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。

一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。

そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。

栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。

写真・文=栗原悠人

時々、田園の中に木々がまとまって立っているのを見かける。多くの場合、この中に神社がある。

これらの神社は、春先の田んぼに水が張られている時期、一つの小さな島のように見える。

最近は「ポツンと神社」というジャンルで、多くの人の心を魅了している。

春だけでなく、稲がすくすく育つ初夏、黄金の絨毯のような景色を見せる秋も、ぷかぷかと浮かぶ神社から目が離せない。 

関東地方

■水神社(千葉県)

千葉県香取市・水神社(2024年5月撮影)
千葉県香取市・水神社(2024年5月撮影)
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周りをぐるっと歩いても、濡れずにたどり着く道がない。田植えをしたら稲刈りをするまで近づけないのかも。

■銀杏と祠(千葉県)

千葉県・銀杏と祠(2024年11月撮影)
千葉県・銀杏と祠(2024年11月撮影)

稲が刈られると寂しくなるが、ここは大きな銀杏の木の黄色が、鳥居と祠を彩っていてとても綺麗だ。

■稲荷大明神(茨城県)

茨城県・稲荷大明神(2024年5月撮影)
茨城県・稲荷大明神(2024年5月撮影)

石岡市小幡。広い空の下、いくつも並んだ鳥居と祠が立つ島は、この地を古くから見守ってくれている。

■塚田稲荷神社(茨城県)

茨城県・塚田稲荷神社(2025年5月撮影)
茨城県・塚田稲荷神社(2025年5月撮影)

土浦市下坂田の水田に浮かぶ神社。朱色の鳥居は、周囲の自然に馴染みつつ、程よい主張感があって好きだ。