鄙びた温泉街、迷路のような路地、静かにたたずむ木造駅舎…。
一度も来たことはないのに、なぜか懐かしく心惹かれる。
そんな、郷愁溢れる風景を求めて旅する「一人旅研究会」こと栗原悠人さん。
栗原さんが全国各地でカメラに収めた心揺さぶるシーンをお届けする。
写真・文=栗原悠人
時々、田園の中に木々がまとまって立っているのを見かける。多くの場合、この中に神社がある。
これらの神社は、春先の田んぼに水が張られている時期、一つの小さな島のように見える。
最近は「ポツンと神社」というジャンルで、多くの人の心を魅了している。
春だけでなく、稲がすくすく育つ初夏、黄金の絨毯のような景色を見せる秋も、ぷかぷかと浮かぶ神社から目が離せない。
関東地方
■水神社(千葉県)
周りをぐるっと歩いても、濡れずにたどり着く道がない。田植えをしたら稲刈りをするまで近づけないのかも。
■銀杏と祠(千葉県)
稲が刈られると寂しくなるが、ここは大きな銀杏の木の黄色が、鳥居と祠を彩っていてとても綺麗だ。
■稲荷大明神(茨城県)
石岡市小幡。広い空の下、いくつも並んだ鳥居と祠が立つ島は、この地を古くから見守ってくれている。
■塚田稲荷神社(茨城県)
土浦市下坂田の水田に浮かぶ神社。朱色の鳥居は、周囲の自然に馴染みつつ、程よい主張感があって好きだ。
