高市首相の台湾有事を巡る発言に、中国の反発が続いています。愛知県蒲郡市の旅館では、中国人旅行者の予約キャンセルが1000人以上となる影響が出ています。
■中国人男性「解決策はたくさんあると思う」
中部国際空港では19日も、北京や上海などから訪日観光客の姿が見られました。

この問題ついて、重い口はなかなか開くことはなく…。唯一取材に応じた男性に、不安がないか聞きました。
中国人男性:
「日中関係は経済・ビジネス面でも非常に良好で、長年にわたって共に努力してきたので、解決できない問題はないと思う」
■老舗ホテルでキャンセル相次ぐ…“キャンセル料免除のお願い”に困惑
愛知県蒲郡市の「蒲郡ホテル」は、114の客室がある創業45年のホテルです。

しかし、11月16日以降、中国人旅行者のツアーのキャンセルが相次いでいます。
竹内恵子社長:
「確定した予約のキャンセルが、11月・12月で入ってきていまして、ほぼ全ての団体がキャンセルになっています。昨日の段階では1000人ぐらい、これからどんどんキャンセルが送られてくると思います」

中国人ツアー客が28件以上、1000人以上の予約がキャンセル。それだけでなく…。
竹内社長:
「『キャンセル料はなんとか免除してほしい』と言われていて、それはちょっと困るなと思って」
竹内社長は頻繁に中国の旅行会社を訪ね営業を続けてきて、いまや宿泊者の5割から6割が中国人観光客です。

上海万博では、自らステージに上がり日本や蒲郡の観光もPRしました。館内の案内表示も、中国語が目立ちます。
蒲郡市は「ゴールデンルート」と呼ばれる東京と大阪の間にあり、インバウンドの移動中に寄りやすいと宿泊客が増えてきたさなかの今回のキャンセル。今願うことは…。
竹内社長:
「前向きに考えているので、(影響は)2カ月くらいと言っている方もいらっしゃるんですけど、1日も早く収束していただいて。中国の方もマナーの違いがあるだけで、人柄や人間性はすごく良い。仲良くなってケンカしないで、世界平和でやっていただきたいなと思います」
■日中関係の悪化の波紋は教育現場にも
名古屋市天白区にある日本語学校。定員270人の学生のうち、中国人留学生は5人ほど。およそ9割はネパールからの留学生です。

現時点で、中国から来た生徒の帰国や、入学予定者のキャンセルは出ていないといいますが…。
IXAS日本語スクールの深田悠暉理事長:
「本当にみんなが不安を感じていますし。そろそろ年末に入るとチケット関係とか、親からの連絡も入ってくると思いますので」
自らも中国出身で、日本へ帰化したという理事長の深田悠暉さん。東京・大阪の日本語学校では中国人留学生の比率が高い中、今後学生が減った分、東海地方の学生の数に影響が出るのではと懸念しています。
深田理事長:
「今後、中国の学生の人数が減っていくと、東南アジア、さらに違うエリアにも市場拡大していかないと、ちょっと厳しいんじゃないかと思っていますね」
