親が認知症になったら…。そもそも認知症ってなに?お金はどうなるの?
高齢の親がいると、こうした疑問を持つこともあるだろう。
山口県で暮らすイラストレーター・上大岡トメさんの両親は、神奈川県在住。介護はまだまだだと思っていたが、様子が徐々に変わっていったことに違和感を覚えた。
そんな上大岡さんの体験を交えつつ、湧いた疑問を専門家に解説してもらう『マンガで解決』シリーズ第2弾のテーマは「認知症」。
上大岡さん著書『マンガで解決 親の認知症とお金が不安です』(主婦の友社)で監修のひとり、認知症問題に詳しい、川崎幸クリニック・杉山孝博院長による「認知症」の解説と、上大岡さんの体験マンガを一部抜粋・再編集して紹介する。
認知症の正しい知識をつけよう
「人は誰だって長生きすれば認知症になる。正しい知識をつけることが第一歩です」
医学が発達し、栄養状態がよくなり、私たち人間はずいぶん長生きになりました。長く生きれば生きるほど体が衰えるように、脳も衰えます。長生きすれば、そのうち誰もが認知症になるのです。
認知症研究の第一人者である長谷川和夫先生も、88歳のときに自身の認知症を公表しました。認知機能の検査に使われる「改訂長谷川式簡易知能評価スケール」を開発されたかたです。そんな人でも認知症になるのです。
そもそも人間は、認知症のような状態で生まれてくるのです。赤ちゃんは言葉も話せないし、排泄コントロールもできません。動くようになると目を離したすきにどこかに行ってしまうことも。重度の認知症の人と同じです。
なのに、多くの人は「赤ちゃんなんてイヤだわ」とは言いません。最初は慣れなくても、親や親戚や子育ての先輩ママなどに気軽に相談し、保健所や育児相談などのサポートを受けながら子育てに励みます。
保育園やママ友、パパ友の存在も心強いものです。しかも赤ちゃんはかわいいのです。高齢者はプライドがあり、怒ったり意固地になったりしてかわいくないことも多いもの。
赤ちゃんもイヤイヤ期などがありますが、小さいので抱きかかえて移動できますし、おむつ替えも入浴もさほど苦労しません。「高齢者があのサイズなら、介護もラクだろうなぁ」と正直思います。
そして赤ちゃんは成長してから手がかからなくなる日が来ることを、私たちは知っています。だからがんばれるのでしょう。
