認知症も、正しい知識と相談できる相手と、頼れるサポーターがいれば乗り越えられるかもしれません。高齢者の介護期間は平均4~5年。子育ての約20年にくらべれば、さほど長くありません。
【POINT】
・認知症がどういう病気なのか、どう進行するのかを知ろう。
・認知症になるのは本人のせいじゃない。恥じる必要もない。
・認知症になるとどうなるのか、先の見通しをもとう。
認知症はどう進行するの?
Q.認知症はどう進行するの?
A.個人差が大きいが目安を知っておこう
認知症の中でも特に多いアルツハイマー型認知症は、ゆっくりと進む傾向があります。一方、血管性認知症の場合、脳梗塞の発作が起きると症状が一気に進む特徴があります。次の発作が起きないように血圧などのコントロールをすることが大事です。
BPSD(行動・心理面の症状)で苦労するのは、だいたい中期まで。後期になると日常的な介護が必要になるものの、BPSDは減ります。進行はゆるやかなので、今後どのように介護していくか、先を見越して考えておくといいでしょう。
■アルツハイマー型の場合
認知症の一歩手前<MCI(軽度認知症)>
・もの忘れが多くなってくる
・意欲や興味が薄れてくる
・日常生活は普通にできている
・1年間で5~15%の人が認知症に移行する
生活に支障が出始める<初期>
・短期記憶を中心にもの忘れがゆっくり進行する
・日付や時間、物の名前がわからなくなる
・料理や買い物などで失敗が増えてくる
ひとりで暮らすのが難しい<中期>
・もの忘れが進み、長期記憶が薄れ始める
・季節に合わせて服を選べない
・料理や家電の使い方の手順がわからなくなる
・着替えや入浴などに介助が必要
・慣れた道で迷う
・トイレの失敗など
常時介護が必要になる<後期>
・言葉の数が減り、会話がしにくくなる
・家族の身近な人の顔を忘れてしまう
・身体機能が衰え、歩行が緩慢になる
・さらに進むと歩けなくなり、寝たきりに
