早ければ10月21日にも行われる見通しの、首相指名選挙。
公明党の連立離脱により自民党が揺れる中、野党第一党である立憲民主党から、「国民民主党の玉木雄一郎代表も有力な選択肢」という言葉が出るなど、玉木氏を野党統一候補にする案も…。

そんな渦中にいる国民民主党の玉木雄一郎代表が、『サン!シャイン』に生出演。現在の本音を語ってくれました。
玉木氏が本音「誰と組むかより何を成し遂げるか」
まず、番組が用意した、「首相にふさわしいのは自分だと思う?」「野党一本化は現実的か?」「すでにどの政党と組むか決まっている」「譲歩できる政策がある」という質問に対して、全て〇×どちらも札を上げた玉木氏。その意図を問うと…。

国民民主党 玉木雄一郎代表:
きょう(15日)党首会談を各党とやりますので、それ次第というか、政策の一致ということを我々は重視しているので、色々な党が出てきて、かつ多党化の時代になってきていますから、今までのような分かりやすいパターンではなくなっているので、我々も判断基準を決めるのが難しいんです。
ですから、誰と組むかより何を成し遂げるかっていう政策ごとに判断していかないと判断を間違えてしまうので、その政策の一致が各党どれだけできるのか、これで組むというか、協力する相手を決めていきたいと思っています。

――総理というポストより政策実現?
私は国家国民を守ることが最優先だと思っていますから、首相ポストより国家国民を守り抜くこと、このことが最上位にないと、自分のポストがどうとかでは判断を間違ってしまうと思うので。国民のための政策をどのパターンなら一番実現できるのかということを冷静に判断していきたいと思っています。
『政策の一致』を重要視する玉木雄一郎代表。

しかし、安全保障の面では「安保法制・違憲部分の廃止」を求める立憲民主党に対して、国民民主党は「安保法制を前提」としています。さらに、エネルギー政策においても、「原発ゼロ社会を目指す」立憲に対し、国民民主は「原発早期再稼働(新規増設も)」を望んでいます。

――政策が100%一致することはないだろうけれど、その中での優先順位は?
国民民主党 玉木雄一郎代表:
この2つです。逆に政党が違うのでいろいろ政策が違います。
例えば所得税の控除額を178万円と言っていますが、178なのか175なのか160なのか交渉の余地がある話だと思います。ただ、安全保障はまず憲法に違反しているとなると、今の法体系がダメだということになるので、それに基づいて、日米のガイドラインやアメリカをはじめとした他国の防衛協力体制が作られ、今もそれが動いています。ですから、それが駄目だと言うと、根幹から政策が変わってしまうので。
やはり、国民の生命・財産を守っていく安全保障は一秒の揺らぎも許されないと。特に10年前に平和安全法制ができてからもう10年もたっていますけど、この期間にさらに日本を取り巻く安全保障関係は厳しくなっていますので、ここは一致させたい。
これをやらなかったので、民主党政権は崩壊したと思っているんです。政権を担うということは重いことなので、安全保障はきちんと一致させておかなくてはいけないので、そのことは野田佳彦代表との党首会談でも申し上げようと思っています。

――ではそれに近い自民党と組む可能性が高い?
正直申し上げて、安全保障やエネルギー政策は自民党の方が近いと思います。ただ、私はこれからの多党制の時代は、ここはみんな共通の上で、上に乗っかる国内政策とかをどう差を出していくのかということが大切で、自民党は自民党でここは一致しているんですけども、これまで、特に2024年の12月に自民・公明・国民の三党で約束したガソリン暫定税率を廃止してガソリン料金を下げましょう、103万円の壁を178万円を目指して2025年から引き上げましょう。この約束が十分果たされていないので、この政策合意を守っていただけるか、これを判断基準に、自民そして公明とのお付き合いは考えていきたいと思っています。
――信頼が確立できれば自民と連立も?
今までも文章は作るんですけど、それがいつも守られないということを繰り返しているので、やはりきちんと守っていただければ信頼関係はできますから、信頼関係の出来具合に応じてその先の連携のパターンの在り方も広がったり狭まったりしていくだろうと思っています。

――政治資金の透明化も求めていく?
それもとても大切なので、きょう(15日)の15時以降に高市総裁と会いますけども、2024年12月11日の約束を守ってほしいということも合わせて、政治とカネの問題について公明党から提案があったあの提案をぜひやってほしいと我々からも言いたいと思います。
なぜかというと、公明党が自民党につきつけたあの案は、2025年の3月、国民民主党と公明党で決めたんです。みんな各党いろんなことを言っている中でなかなか折り合えない中で、このくらいはみんな一緒にやりませんかと出したのが、いわゆる政治資金の受け手規制。企業団体献金受けるのはいいけれど、透明性の高い党本部であったり、あるいは都道府県支部、ここに限定して、その代わりここはより高度な公開義務をかけて、そこだけが受け取れるようにしましょうと。
もう7000も8000もどこで受けているかわからないようなことでは透明性は高まらないので、やりませんかと実は公明党と国民民主党でまとめた案を、公明党が自民党にぶつけて、それはちょっとと言われて離脱をしたので。我々からも求めたいと思います。
「政権を担うに足る政党かどうか」
14日に行われた自民・国民民主の幹事長会談では、2024年12月に自民党・公明党・国民民主党で交わした約束について、「まだ生きている」と確認した上で、国民民主党の榛葉幹事長から「ガソリン暫定税率廃止と年収の壁引き上げを年内に実施」と提示。自民党の鈴木幹事長は「年内の実施を目指してスピード感をもって対応したい」と回答したと言われています。

――この“スピード感を持って”というのはどのくらいを想定しているのか
国民民主党 玉木雄一郎代表:
年内ですね。我々がせかすというより、参議院選挙が終わったのが2025年7月20日ですよね?あれからもう3カ月たっていますけど、自民党政局、与党政局でここまで引っ張って、国民からしたら待たされているわけです。物価高騰は収まっていませんし、年内に何かをしないと、年を越せないという人だって出てきますから。
やはり速やかな物価高騰対策。どうせやるなら年内やりましょうと求めたので、このことも改めて高市総裁に確認をしたいと思います。

――基本政策が異なっていると言っていたが、今後立憲民主と組む可能性は?
2020年に国民民主党が立憲民主党と別れた…というか加わらなかった。我々の根幹の部分で、基本政策を一致させておかないと、できるのはできるのですが、すぐ崩壊してしまって、国民の皆さんに逆にご迷惑をかけてしまいます。
かつ、安全保障環境は、よくなっていなくて悪くなっているので、ここはやはりきちんと固めることが必要なのと、原子力発電についても福島の問題があって大変センシティブではあるのですが、今世界各国、AI、あるいはデータセンターの需要が出てきて、もう電源の取り合いなんです。電源確保合戦をやっていますから、資源のない日本で特定の電源を放棄するようなことを言うべきではなくて、あのドイツでさえ政策転換を行っていますので、ここは冷静な議論をして、原発ゼロはひとつ理想なんですけども、現実的なエネルギー政策が必要だろうと訴えています。
これは、我々がこうしてくれと押しつけているわけではなく、立憲民主党の問題なんだと思います。現在の日本において現実的な政策をやらないと、政権を担うことができないという、政権担当能力を問われる中で、我々から言われた言われないに関係なく、野党第一党の立憲が、政権を担うに足る政党かどうかいうのは、この二つを乗り越えないないと、国民から信頼されないのではないかというのもあって、申し上げている。

――譲歩すれば連立はあり得る?
きょう(15日)、午後話してみたいと思います。
――主張を凍結することはできるという意見も出ているが、凍結ではダメ?
凍結した後、憲法違反になるんですか?ここはちゃんとやらないと、例えば仮に私が総理になったとしても、新たな少数与党を作ることになりますよね。高市さんには勝てても過半数には行かないので、大変厳しい国会が求められる中で、予算委員会で凍結してその後違憲になってやめるんですかと聞かれたら、耐えられないです国会審議に。
そこはきちんと、政権を担うというのは本当に重いことですから、国民の命運・生活を、ようはこの国に起こる全てのことに責任を負うことですから、そこは曖昧にしてはいけないと。

――『多党制』という言葉をよく使われますが、この場合の総理の役割は?
大事な指摘だと思います。ヨーロッパだとこういうことはよくあるのですが、その時の内閣総理大臣は何をするのか、内閣はなにをするのかはものすごく大切なテーマで、無限の組み合わせがあるわけですある意味。
何をするかというと、政策を合意させて、その政策を責任を持って遂行する最高責任者が内閣総理大臣になるのだと思います。そのときにベースとして相手のある話、つまり外交安全保障だけはベースとして一致させて、上に乗っかるところはトピックごとに合意したら合意したものを遂行するのが内閣総理大臣と。
――その遂行者として「玉木雄一郎」というのは、ご自身としてどう考えているのですか?
私は今本当にやるべきは当面の物価高騰対策を速やかにやるということと、あとは今の日本の最大の課題は若い人が希望を持てないんです。この国はどんどん衰退していくのではないか、この国は頑張っても報われないのではないか、それを反転させたい。この国で頑張れば希望も夢もつかめるんだと。そういう国家を作ることが今の政治リーダーに一番求められていると思うし、私はそれがやりたい。まぁ明るい日本を作りたいですね。
自・国・維はあり得る?「いや…まぁ…」言葉濁す
『サン!シャイン』には、視聴者からも玉木雄一郎代表に聞きたい多くの質問が寄せられました。その一部に答えてもらいました。

Q.仮に連立政権が誕生した場合、長続きすると思いますか?(30代)
国民民主党 玉木雄一郎代表:
長続きさせるためにも、基本政策の一致が必要なのだと思います。ここを一致させずにスタートしても短命で終わるし、確か枝野前立憲代表が、「今の野党でまとまっても3日で終わる」とおっしゃっていたので、今のままいくとそうなります。そうなっては国民の皆さんにご迷惑をかけますから、基本政策をしっかり一致させようと申し上げています。
――維新との関係は?
結局維新が、自民党…高市さんの名前を書くと首相指名で、という話も出ているので、それになるとそもそも今やっている議論が根っこから変わってしまうので、それはどうかというところと、ただ維新の皆さんとは一致するところもありますから、そこは政策で一致する範囲で前に進めて行ければなと。
――自・国・維は難しい?
………いや、まぁ…きょう(15日)よく話してきます。

Q.減税を実現するためには、自民党と協力するのが最短だと思いますか?(60代)
国民民主党 玉木雄一郎代表:
これは、2024年12月の合意の一つは所得税の控除額を引き上げようということですから、結果としてはこれは減税になりますので、まずこれを年内に。
色んなことをできると思うのですが、今求められているのはスピード感だと思います。同じことをするにしても、来年(2025年)再来年(2026年)できましたでは国民生活が間に合わないので、例えば給付付き税額控除みたいな議論が出ていますがこれは時間がかかるんです。ですから、同じ減税をするにしても、できるだけ早く国民に届く、効果が出る、そういうことをやることが必要なので、これはぜひ自公と合意がありますから、もちろん他の野党の皆さんにもご理解を得て、速やかに実現したいと思います。

――最後に、カラオケであずさ2号が得意だと聞きましたが、一緒にデュエットするなら、高市さん?野田さん?
国民民主党 玉木雄一郎代表:
「狩人」は男性デュオですけども、高市さんもヘビメタ中心に歌っていますから。お二人ともカラオケに(一緒に)行ったことがないので、お二人と行ってみたいですね。
3人で歌っていたら、結構ニュースになりますよね。
(「サン!シャイン」 10月15日放送)