猛暑が続いた2025年、鹿児島もようやく秋らしい気候に。

気持ちの良い秋晴れとなった10月某日、日置市日吉町の樗木(おてき)集落では明治から続く「坪刈り」という行事が開かれた。

刈った稲の収量を競うというのだが、会場は終始明るい雰囲気に満ちていた。

緑に囲まれ自然豊かな樗木(おてき)集落(鹿児島県日置市日吉町)
緑に囲まれ自然豊かな樗木(おてき)集落(鹿児島県日置市日吉町)
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秋晴れのもと、収穫した稲の収量を競う

2025年で128回目という「坪刈り」。

1坪あたりの稲を刈り取り、その収量を基礎に、全体の収穫量を算出するという調査を伝統行事化したものだという。

今回は7人がエントリー。それぞれが収穫した稲25株を脱穀機にかけ、手作業で葉などを取り除き、最終的に残ったもみだけを計量する。

参加者がそれぞれ収穫した稲25株を脱穀機へ
参加者がそれぞれ収穫した稲25株を脱穀機へ

収量を競う、といっても全員が協力しながら作業を進めていた。その中には日置市・永山由高市長の姿も。

参加者が「市が賞品を出してくれれば燃えるかも(笑)」と問いかけると「何がいいですか?」と返す市長。すかさず「金一封やろかい(笑)」という声。

バチバチの“対決ムード”はなく笑い声が絶えない、和やかな雰囲気だ。

日置市・永山市長(中央右)も一緒に作業 和やかな雰囲気
日置市・永山市長(中央右)も一緒に作業 和やかな雰囲気

結果発表は後日 行事後は婦人部手作りのふるまいご飯

いよいよ計量タイム。それぞれの参加者が、もみをはかりに載せていく。

ふざけてギュッと押さえつけて“収量アップ”を図ろうとする人もいたが、立ち会い担当の日置市役所の職員は「公平な立場でしっかり量るようにしています」と、にこやかに話してくれた。

日置市職員が立ち合ってきちんと計量
日置市職員が立ち合ってきちんと計量

そしていよいよ、結果発表~!…と思いきや、最終結果は、田んぼで株や畝(うね)の細かい間隔を計測し、持ち寄ったもみの収量を計算してからになるとのこと。

結果発表は後日
結果発表は後日

「坪刈り終わりました。結果は月末です。お楽しみに~!」と、集まった参加者たちは笑顔でPRしてくれた。

皆さんでPR おつかれさまでした!
皆さんでPR おつかれさまでした!

行事が終わると、婦人部のお姉様たちから手作りのご飯が振る舞われた。2024年の坪刈りで使ったコメで作られたちらしずし。128回を重ねる伝統行事は実際の食を通して、次の時代へと受け継がれていく。

美味しそう♪
美味しそう♪
鹿児島テレビ
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