2025年10月1日、長崎市の路面電車でクレジットカードなどによるタッチ決済が利用できるようになった。どうやって使うのか?各種割引やサービスもフルに紹介!

誰もが利用しやすい公共交通を目指して

タッチ決済は国や長崎市の補助金を活用した2026年3月31日までの実証実験として導入されている。

より便利に路面電車に乗れるように
より便利に路面電車に乗れるように
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長崎電気軌道は、持続可能な公共交通の実現に向けて、利便性向上、インバウンド受入環境の整備、データ分析によるサービスの向上を図り、外国人観光客を含めた誰もが利用しやすい路面電車を目指していく方針だ。

まずは乗車の際にカードなどをタッチ
まずは乗車の際にカードなどをタッチ

まずは乗車の際、乗ってすぐの端末にタッチ決済に対応したクレジットカード・スマートフォン・ウェアラブル端末をタッチ。

降りるときもタッチ
降りるときもタッチ

降りるときに降車用の端末にタッチ。使い方は交通系ICカードと同じだが、チャージの必要がない。現金払いで小銭がないときに、両替の必要がないのも便利だ。

現金、IC カード、クレジット どれを使う?
現金、IC カード、クレジット どれを使う?

2025年現在、路面電車の運賃の支払いは乗客の約2割が現金、約8割が交通系ICカードを利用している。三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」を導入してタッチ決済が可能となり、支払い方法の選択の幅が広がった。

長崎電気軌道 向賢治 取締役経営企画室長
長崎電気軌道 向賢治 取締役経営企画室長

長崎電気軌道の向室長は「外国からの乗客の決済手段がクレジットカードになると、乗り降りする際、時間の短縮につながり利便性が向上する。各種割引をすることで、運賃面でのメリットも出てくるだろう」と話す。

タッチ決済で使える“4つの割引サービス”

タッチ決済によるお得な割引サービスも始まった。

オフピーク1日上限割引
オフピーク1日上限割引

①「オフピーク1日上限割引」 
午前9時から午後5時の間は何回乗っても運賃の上限が600円になる。大人の運賃は150円なので、5回目から実質無料だ。

観光客の利用分散を促し、通勤・通学のピーク時の混雑緩和の狙いがある。

手荷物配送割引
手荷物配送割引

②「手荷物配送割引」
JR長崎駅の構内の長崎市総合観光案内所では、キャリーケースなどの大きな手荷物を宿泊先まで1個1000円で配送する「手ぶらで長崎観光」サービスを行っている。このサービスを利用する際、観光案内所の窓口でタッチ決済のクレジットカードを登録すると、路面電車の初回の運賃が無料になる。

電車内に大型の荷物を持ち込む観光客が減ることで、普段から利用している乗客のストレス軽減につなげたい考えだ。

免許返納割引
免許返納割引

③「免許返納割引」
運転免許証を自主返納した人を対象にした割引もある。主に高齢者の利用を想定していて、タッチ決済で乗車すると運賃が1回あたり30円引きになる。

1カ月上限割引
1カ月上限割引

④「1カ月上限割引」
毎月1日から末日までの1カ月間、路面電車に何回乗っても運賃の上限が7000円になる。大人の運賃は150円なので、47回目の乗車からお得になり、その後は実質無料だ。

6000円で販売している定期券の場合、自宅と会社・学校の最寄り電停など乗車できる区間が決まっていて、その区間外では料金を支払う必要がある。
(例)通勤や通学でひと月あたり150円×1日2回の乗車×23日=6900円。定期券の範囲外での乗車、休日の乗車を加えると1カ月の運賃総額は7000円を超える。

「1カ月上限割引」なら、これまでの定期券代にプラス1000円でよりお得に利用できる。

事前の手続きでお得に活用

ただし、「免許返納割引」と「1カ月上限割引」は事前の手続きが必要だ。

事前に手続きが必要な割引も
事前に手続きが必要な割引も

長崎電気軌道の浦上車庫営業所や蛍茶屋営業所の窓口、西浜町の臨時発売所にタッチ決済に対応したクレジットカード、もしくはクレジットカード情報を登録したスマートフォンやウェアラブル端末を持参する。 「免許返納割引」を希望する場合は、運転経歴証明書の提示も必要だ。

窓口にある端末で事前に登録
窓口にある端末で事前に登録

窓口にある認証端末に持参したクレジットカードなどをタッチして窓口の担当者にどちらの割引を利用したいか伝えるとわずか数秒で登録が完了する。乗降時に手続したカードやスマホなどを車内の端末にかざすと、割引料金が適用される。

よりよい使い方を自分で選択
よりよい使い方を自分で選択

「免許返納割引」と「1カ月上限割引」は併用できないため、長崎電気軌道の担当者は「自分にとって便利な方を選択してほしい」と話す。

さらなる「便利」を目指して
さらなる「便利」を目指して

実証実験は2026年3月31日までで、長崎電気軌道は利用者のデータを分析し、その後も継続するのか、さらなるサービスの展開を考えたいとしている。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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