新年を迎え、1月5日は豊洲市場が動き出す「初競り」の日だ。「初競り」と言えば、毎年200㎏を超えるビッグサイズのマグロが驚きの価格で競り落とされ話題となるが、これらを大きく上回る約500㎏の巨大マグロの映像が、テレビ宮崎に残されていた。築地市場・豊洲市場を通して、現在もこの記録は破られていない。日本の漁業史に残る「世紀の大物」の記録を追った。
前代未聞の巨大マグロに港は騒然
今から40年前の1986年4月23日、宮崎県日南市の油津港が前代未聞の「巨大マグロ」に沸いた。500kgはあろうかという「巨大マグロ」が水揚げされたのだ。

巨大マグロは4月14日未明、種子島の南東約90kmの沖合で島浦町(現・延岡市)のマグロ延縄(はえなわ)漁船の釣り針にかかったもの。乗組員6人が3時間かけて船に取り込んだが、あまりの大きさに「びっくり仰天した」と、当時の記事に記されている。

港には多くの見物人。テレビカメラも集まってきた。船底から港に引き上げる作業も一苦労。マグロが姿を現すと、見た事もない巨大な獲物に、集まった人々は驚きの表情を浮かべていた。

宮崎県日南市の油津漁協では、備え付けのクレーンで水揚げすることができず、急遽大型クレーン車をチャーターして対応したという。

トラックごと大型計量器で計測したところ、体長2m88cm、重さ483kgと判明。これは、前年4月に水揚げされたそれまでの最高記録、290kgを大きく上回る。刺身にすると実に2400人分は十分に賄える、前代未聞の「世紀の大物」だった。
築地市場も熱狂、落札価格は350万円
このジャンボマグロは、東京・築地市場に出荷された。

水揚げされてから2日後、4月25日に競りにかけられた。氷詰めされた箱から取り出すのも約10人がかりだ。その結果、350万円という、これまた当時としては”ジャンボな値段”で競り落とされた。当時、「全国でもこれほどの大物は例がない」と言われたほどの大物だった。

油津港で計測された重さは483㎏とされていたが、築地・豊洲市場の記録では496㎏となっている。大きさが大きさだけに、正確な重さを計測するのも難しかったのだろうか。

この「世紀の大物」の競りに、集まった仲買人たちも、記録に残しておこうと次々にカメラのシャッターを切っていた。

豊洲市場 水産農産品課によると、496㎏という記録は築地市場・豊洲市場を通じて破られておらず、40年経った現在も、歴代1位を守り続けているという。
(テレビ宮崎)
