近年問題となっている「食品ロス」。一方で気候変動による野菜の不作、高騰も深刻だ。こうした中、今まで廃棄されていた野菜の“茎”を冷凍保存し食材として活用しているメーカーが鹿児島市にある。
冷凍保存されたブロッコリーの茎をギョーザの種に!

鹿児島市にある「餃子のビッグファイブ」では、これまで廃棄されることの多かったブロッコリーの茎を冷凍保存し、ギョーザの種に使った賞品を開発した。

同社の川原健司氏は「廃棄も多い課題のある野菜だったが、冷凍の野菜で、おいしさも含めて一石二鳥、三鳥でお届けできるギョーザができた」と胸を張る。
さらに「キャベツが高騰したとき、農家が作れない、出せないという時に支えになる」メリットもあるという。

全国規模のコンテストで大賞に輝く
この「ブロッコリーを使ったげんきモリモリ生餃子」は、冷凍生活アドバイザーとしてメディアで活動する「冷凍王子」こと西川剛史氏が発起人として開催した全国冷凍野菜アワードの調理冷凍食品部門で金賞に選ばれた。
川原氏は、「冷凍のブロッコリーが保存してあって、それが使われることで安定的な供給になっていけば」と、冷凍野菜を使うメリットを語った。

広がる可能性の一方で課題も 冷凍食品の今後は
「糖尿病の人が糖質を抑えるために糖質制限した冷凍食品もあるし、冷凍のペットフードも出ていて、ワンちゃん向けの商品も冷凍で販売されているので、あらゆる食を解決するのが冷凍だと思う」冷凍王子こと西川氏は冷凍食品の今後についてこう語る。

その一方で、冷凍庫が足りず供給が間に合わなくなったり、燃料費高騰で物流コストがかさんだりする課題もある。
鹿児島のギョーザから新たな可能性が発信された冷凍食品。
この勢いを“フリーズ”させることなく、さらに“アツく”できるか、注目していきたい。