東京都内にある弁当店、まごころ大高(高ははしごだか)に並ぶメニューは全部で65種類。
中でも店の看板メニューは、重量1kg超えのデカ盛り弁当です。
お昼時ともなれば、多くの人が訪れ列をなします。
午後2時までの日替わり弁当はワンコインの500円で、「ほかほか出来たてで、来る度に今日は何かなって楽しみに利用してる」「板橋の味方、板橋の台所みたいな感じで」と地元の人にも好評です。
地元に根差して50年。
デカ盛りと豊富なメニューを売りにやってきましたが、食材高騰の波が次々と押し寄せ、店は苦境に立たされているといいます。
まごころ大高・大高博信代表(高ははしごだか):
ここ2年ぐらいの材料費高騰は、今までの20年間で経験がなかったので戸惑っている。(Q. 何が1番高くなっている?)お米ですね。去年の今と今年の今では、1年だけど倍以上。油も2倍、鶏肉も約2倍、原価全体でいったら180%ぐらい高くなってる。今年は利益どころか赤字。(設備投資など含め)1000万円近い。
帝国データバンクによると、2025年1月から5月までの弁当店の倒産件数は22件。
各種の食材に加え、米の高騰が経営を大きく圧迫し、事業継続を断念するケースが目立つといいます。
このペースが続くと、倒産件数は過去最多を更新する可能性もあるとしています。
食材高騰による逆風が強まる中、店は生き残りをかけ、苦渋の決断を下しました。
10月14日から全商品を100円から200円値上げすることにしたのです。
まごころ大高・大高博信代表(高ははしごだか):
量を減らすか値段を上げるかしか選択肢がなくなってるので、量を減らしたり材料を減らすと最初のコンセプトとズレるので、やること全部やったタイミングで値上げしようと。
本意ではない値上げに葛藤しつつ、店を守り続けていく考えです。
一方、東京・渋谷のスーパーマーケットでは、弁当がある人たちに大人気となっていました。
弁当を手に取っていた客の多くが外国人。
ジャパニーズ弁当のどこに魅力を感じているのでしょうか。
エジプト出身:
海外の多くの国には弁当みたいなものがないんです。これは日本的なもので、すごく便利なんだよ。
スウェーデン出身:
私の故郷では、こんな品質のものは全く手に入りません。日本のお弁当は安くておいしいですね。
聞けば、ランチタイムには来店客の8割を外国人が占めることもあるほどの人気ぶりだといいます。
東急ストア 渋谷サクラステージ店・野本奈緒子店長:
瞬間的に多くの外国の方が集中していらっしゃって、お弁当を買っていただいてる状況があります。多くの外国の方にも日本のお弁当を味わっていただけることはありがたいことだと思います。
今や「BENTO」で通じるほど海外にも浸透しつつある日本の弁当。
その注目度は今後、さらに上がっていきそうです。