ポスト石破は誰になるのか?22日、告示の日をむかえた自民党総裁選挙。
小林鷹之元経済安保相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、
小泉進次郎農水相の5人による12日間の戦いが始まりました。

共同通信社の太田昌克編集委員は、早くも「決戦投票を巡る議員票」や連立を巡る野党間の熾烈な駆け引きが始まっていると解説します。

■5人の候補者の訴えは

5人の候補者は22日午後、さっそく演説会に臨み、論戦をスタートさせました。

【小林鷹之元経済安保相(50)】「諦めではなく希望を!頑張れば報われるその実感を、力強い、そして成長する日本を作ってまいります」
【茂木敏充前幹事長(69)】「結果を出す、逆境を乗り越える厳しい使命。これを私に担わせていただき、次の世代に次の時代にバトンを渡していきたい」
【林芳正官房長官(64)】「うまく政策をつなぎ合わせて、そしてうまく運営していけばまだまだ日本はやれる。そんな強い気持ちで先頭に立ってこの国のかじ取りをさせていただきたい」
【高市早苗前経済安保相(64)】「ああだこうだとうるさいくらいに明るく活発な総理官邸や自民党を作ります。これからの自民党、男性も女性も全世代の総力を結集して立て直す」
【小泉進次郎農水相(44)】「自民党はひとつのチームにまとまらなければなりません。今回の総裁選を自民党再生にむけた新たな出発点にしようじゃありませんか」

■「次の自民党の総裁にふさわしい人は?」高市氏がトップ 一方で「この中にはいない」という回答も多く

新しい自民党のリーダーは誰がいいのか?
FNNでは20・21日に世論調査を実施。
(RDD固定・携帯 全国の18歳以上の男女1018人が回答)

次の自民党の総裁にもっともふさわしい人として、高市氏をあげた人が28.3パーセントで最も多く、小泉氏が25.7パーセントで、林氏、小林氏、茂木氏と続いています。

高市氏、小泉氏だけで過半数を占める結果になりました。一方で、『この中にはいない』と答えた人が23.3パーセントに及んでいます。

■「自民党支持者」に限ると小泉氏がトップ

一方で、支持する政党を自民党と答えた人に限ると小泉氏、高市氏、林氏の順になりました。

総裁選で重点的に議論してほしい政策については「物価高対策や賃上げなどの経済政策」が39.5パーセントと最も多く、次いで年金や医療・福祉などの社会保障政策が25.2パーセントと6割以上の人が生活に直結する政策の議論を求めています。

■街の人からは「物価高対策」の要望多いが…「誰がやっても一緒」との声も

大阪の街の人からもやはり「いまの生活をなんとかしてほしい」という声が大半を占めました。

【30代会社員】「物価高をちょっと抑えて欲しいかな。値段見た瞬間に『今回やめとこかな』って思うことが増えた気がする」
【70代】「なにもかも高すぎる。年金生活者にはそれが一番こたえます。
(Q:今の額だけだと厳しい?)
【70代】「全然ムリ!」

【30代主婦】「物価高」
(Q:高いですか?)
【30代主婦】「高いと思います。(子供2人が)5年差あるんですけど、上の子の時のミルク代と下の子の時でだいぶ違う」
(Q:だいぶ食費もかかる?)
【30代主婦】「そうですね。子供がいると」

一方、こんな声も…
【50代会社員】「誰がやっても一緒。お金さえばらまきゃ納得するって思われてるの腹立ちますよね。ちゃんとやってください」

■街の人がのぞむ経済対策について各候補者は…

街の人がのぞむ経済対策について各候補者は…

【小林鷹之元経済安保相(50)】「子育て世代を含めた現役世代が自由に使えるお金を増やします。その1つが所得税制・所得減税です」
【茂木敏充前幹事長(69)】「地域ごとの課題、ニーズに応じて自由に使える特別地方交付金これを創設する」
【林芳正官房長官(64)】「実質賃金を1パーセントずつ上昇させていく。これを定着をさせる」
【高市早苗前経済安保相(64)】「補助金制度をすっきりさせて、大掃除をして、本当に役に立つものを絞り込む」
【小泉進次郎農水相(44)】「物価や賃金の上昇に合わせて基礎控除等を調整する仕組みの導入や公的支出や公定価格の是正など進めていきます」

■『連立入りを期待する野党』については

衆参で少数与党となっている自民党。

『連立入りを期待する野党』については以下の結果となりました。

1位:国民民主党 25.8パーセント
2位:日本維新の会 25.6パーセント
3位:立憲民主党 20.3パーセント

野党の連立へのスタンスはどうなのでしょうか。

【国民民主党・玉木代表】「野党と協議してどこまで協力得られるか。その調整が新総裁の最初の仕事」(21日)
【日本維新の会・吉村代表】「改革や公約を実現するうえで(連立)の選択肢を排除するものではない」(今月19日)

■小林氏、茂木氏、小泉氏の3人は野党との連携を主張

【小林鷹之元経済安保相】「憲法への自衛隊の明記緊急事態条項の創設この点に関しては協力いただける各党・各会派の皆さんと共に総裁任期中に憲法改正の発議をしていく決意であります」

【茂木敏充前幹事長】「外交安全保障・エネルギー、そして憲法、こういった政策が一致する政党と連立の枠組みを広げる。このことを追求し政権基盤を固めていきたい」

【小泉進次郎農水相】「国民の関心が高い政策について、野党に幅広く政策協議を呼びかけ、与野党合意を模索する努力を行います。政権の枠組みのあり方についても議論を深めていきます」

■林氏・高市氏は野党との連携について言及せず

3人が野党との連携を示唆した一方で、他の2人は連携については言及せず、党のあり方を中心に訴えました。

【林芳正官房長官】「今、我が党を取り巻く状況。決して明るいものではない、わが党の綱領にある『秩序の中に進歩を求める』こうした気持ちで政策を推し進めて参りたいと思っております」

【高市早苗前経済安保相】「看板倒れの自民党には党員党友の皆様も国民の皆様もうんざりしておられるんやないでしょうか。現在だけではなくて、未来の国家国民のためよく働く。チームを作ります」

■自公と維新の連立『溺れるもの同士が抱き合って、いずれ沈んでいく』と国民民主幹部

野党の状況について共同通信社の太田昌克編集委員は、「国民民主党はやっぱり勢いがありますからね。それに対して維新は党勢が少ししぼんでいる状況」と解説しました。

太田氏によると、先週、玉木代表ではない国民民主党の幹部と話した際に、連立について「高みの見物だ」と話していたといいます。

【国民民主党・幹部】『維新が自公に抱きつくと、溺れるもの同士が抱き合って、今は息継ぎできてもいずれ沈んでいくんだ。だからうちは高みの見物だ』

国民民主の幹部の発言について太田氏は「優位に連立交渉を進めていく。こっちが横綱だっていうこと」と、その真意を解説しました。

■共同・太田氏「小泉氏に勢い」「決選投票を見越した“裏調整”も」

また、太田氏は総裁選の立候補者5人の中で勢いがあるのは小泉氏で、すでに決選投票を見越した“裏調整”も進んでいると解説しました。

【共同通信社編集委員 太田昌克氏】「やはり勢いがあるのが石破さんに最後引導を渡した小泉さん。議員票はどんどん小泉さんに集まっている。そんな雰囲気を永田町を取材して感じます。

すでに決選投票を見越した“裏調整”も実は進んでいて、ある陣営の幹部は、『前回の議員票を上回って、とにかく良いポスト取りたい。決戦になれば、うちの陣営の多くは小泉さんに投票するんじゃないか』という駆け引きがすでに始まっているということです。

ただこれから論戦が始まったばっかりですから、政治信条、政治とカネも問われるはずです。まだまだ予断を許さない状況は続くと思いますね」

自民党の新しい総裁は来月4日に誕生します。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年9月22日放送)

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