選手らへのパワハラ疑惑で休養中のサッカーJ3・高知ユナイテッドSCの秋田豊監督が9月19日、会見を開き、辞任する考えを明らかにしました。

秋田氏を巡っては今年6月、選手・スタッフがパワーハラスメントの申し立てを日本プロサッカー選手会に行ったことが明らかになりました。

クラブは選手・スタッフと秋田氏の意見が食い違うとして、第三者の弁護士で構成する特別調査委員会を立ち上げ、調査を行っていました。

会見で秋田氏は「特別委員会で18事案のうち6事案がパワハラ認定された」と明らかにしました。

「厳しいトレーニングをし、選手たちの心を動かすためにコーチングをしてきました。ただ、私の『上に行きたい』という気持ちが強すぎたことは否めないと思います。スタッフに対しても、当たり前のことを当たり前のようにやってもらうだけで良かったですが、自分の熱量が、一部のスタッフにはハードルが高かったと今では理解し、違ったアプローチの仕方が必要だったと感じています」と語りました。

今後については「もっといい指導者になっていきたい」とした上で、「自分自身、認識が甘く、ここまでのところまで認定されるのかと、正直言って、感覚にはなかった部分があった。パワハラは絶対にダメだという認識は持っています。伝え方をもっとブラッシュアップしていかないと、時代のギャップというものを埋めることはできないと思うので、自分は勉強しなきゃいけないなと改めて感じた」と話しました。

辞任理由について「今回のパワハラでの辞任ではない」とした上で、「(クラブの)社長とのあつれき」があったと明かし、「ここにいても無駄な時間を過ごすだけだという風に思いました」と説明。

「チームの勝利のために戦っている選手たち、戻れなくて本当に申し訳ないと思っています。チームは非常に厳しい状況になっているけど、みんなの力でなんとか残留をできるように頑張ってほしい」と語りました。

高知ユナイテッドは高知県初のJリーグチームとして今シーズンからJ3に加入。J昇格を決めた吉本岳史前監督が去年12月に辞任したことを受け、秋田氏が急きょチームを率いることになりました。

問題発覚後から秋田氏は試合・練習に参加しておらず、代理で指揮をとっていた神野卓哉ヘッドコーチも9月10日に契約解除が発表されています。

チームは現在5連敗中で、リーグ20チーム中15位となっています。

秋田氏は愛知県出身で1970年生まれ。現役時代は鹿島アントラーズや名古屋グランパス、京都サンガFCで活躍。1998年と2002年のワールドカップでは日本代表を務めました。