静岡県内は9月17日、各地で30℃を超え、猛暑日となったところもあります。9月も半ばを過ぎるなか、秋の味覚にも影響が出ていました。
鈴木衣緒里 記者:
午後0時半前の静岡市葵区です。現在手元の温度計では35℃を示しています。日差しが強く照り付けていて、立っているだけでじわっと汗が出てくるような暑さです
高気圧に覆われた県内は17日、各地で気温が上昇。
川根本町や浜松市天竜などでは35℃以上の猛暑日となり、静岡でも34.6℃を記録しました。
女性:
びっくりしますよね、ほんとうに。10月が近づいているのに。今歩いてきて、きょうどうかなと七分(袖)にはしたんですが、やっぱりちょっと暑いなって
男性:
勘弁してほしいですね、暑すぎちゃって。そろそろ涼しくなってほしい
厳しい暑さの中、掛川市の集荷場で行われていたのは栗の出荷作業。
いま出荷のピークを迎えていて、17日は約100kgを選別し、大きさごとに箱詰めしていきました。
JA掛川市営農課・吉政諒さん:
厳しく選別してもらっているので栗の品質は例年に比べてかなり良い。小さめではあるけれど、その分糖度はのっている
ただ、2025年はこの夏の猛暑や長引く暑さが大きな影響を及ぼしています。
早川農園・早川正實さん:
これが2週間以上遅れているけど、これ以上大きくならないと思う。実が熟しておらず、完全な不作だと思っている
掛川市で20年に渡り栗農家を営んでいる早川正實さん(79)。
2025年は暑さの影響で例年に比べ10日ほど収穫が遅れました。
ようやく9月10日から収穫が始まっていますが、2025年は特に害虫による被害が2024年に比べて多いと言います。
早川農園・早川正實さん:
この辺が夏の暑さのために虫がわいてしまった。アブラムシが発生し、葉を食べて養分が少なくなっている状態。暑すぎて高温で大きくなりきれない未熟の栗ができあっている状態
また、収穫が遅れていることで木についている期間が長くなり、栗の中の虫食い被害も。
さらに熟さないうちに青いイガのまま落ちてしまっていて、収穫量は例年と比べ3割ほど減ってしまっているといいます。
それでも出荷する栗は良質で小ぶりな分だけ味が凝縮されているといい、少しでも多く消費者に届けたいと前を向いています。
早川農園・早川正實さん:
秋といえば栗は代表的な味覚なので、おいしく食べてもらうように精は出している。もう少し頑張って良い栗を届けたい
JA掛川市管内では10月上旬まで栗の出荷が続く見込みで、浜松市の市場や県内の菓子店を中心に送られるということです。