9月5日に発生した竜巻で農業も被害を受け、静岡県と牧之原市が調査を開始しました。
胡蝶蘭を栽培する農家は出荷前の花に被害があり、大きな打撃を受けています。
牧之原市でギフト用の胡蝶蘭を栽培する「鈴もと洋蘭園」です。
複数の種類の胡蝶蘭を4カ月から5カ月かけて育て、オンラインなどで全国へ販売しています。
9月5日台風15号にともなう竜巻で、これまでに経験のない大きな被害を受けました。
鈴もと洋らん園・川村幸弘さん:
本来線までは基礎という形で地中に入っていたが、風の力でこれを持ち上げた
竜巻により農業用ハウスのガラスやビニールが破損したほか基礎部分のコンクリートが持ち上げられむき出しの状態に。
商品である花も割れたガラスで葉が傷ついたり停電によってエアコンが使用できず温度調整ができなかったりしたことで、花が傷んでしまいました。
15日の「敬老の日」に向け出荷準備を進めていた矢先に大きな被害を受け、現在は復旧作業と並行して残った花の出荷に追われています。
鈴もと洋らん園・八木幹男 社長
いままで40年くらい胡蝶蘭作っているが(このような被害は)初めて。台風で少し位やられたことはあったが、こんなに大きくやられたのは初めて
物価高で園芸用の資材も価格が上がっているほか台湾から輸入している苗も為替の関係で値段が上がっています。
それでも生産者は前を向きます。
鈴もと洋らん園・八木幹男 社長:
見通し立つも立たないもやるしかない
牧之原市によりますと竜巻により市内300余りの農業用ハウスなどが全壊や半壊の被害が受け、被害額は現時点で11億円を超えるとしています。
こうした中、17日から静岡県の農林事務所と市が施設園芸を営む事業者の被害調査を始めました。
調査チームは今後国から支援を受けるために写真を撮るなど、正確に被害状況を記録していきました。
調査は9月19日まで行われる予定です。
一方、牧之原市役所では15日市内で開かれた復興支援マルシェの主催者が17日杉本市長のもとを訪れました。
マルシェでは約20の店が食べ物や雑貨を販売し、その出店料と来場者に行われた募金で54万円あまりが集まりました。
代表者が「早い復興をお祈りします」と義援金を贈ると市長は感謝の思いを伝えていました。
地頭方マルシェ・山下恵巳さん:
一番は被災者の人にプラスになる即効性のある形で使ってもらえればありがたい
マルシェの主催者は今後も継続して被災者支援について考えたいと話していました。