ポニーの「クリスター」。2025年3月まで2年半の間、長野県伊那市の小学校で飼われていましたが、クラス替えに伴いお別れに。一度、牧場に戻りましたが、諏訪市の小学校の子どもたちが「クリスターを幸せにしたい」と決意し、学校に迎え入れました。
真っ白いたてがみが特徴のメスのポニー「クリスター」。8月28日、諏訪市の上諏訪小学校にやってきました。5年生のクラスがお世話をします。
児童:
「気持ちいい、温かい」
「すごい毛並みそろっている」
クリスターが小学校で暮らすのは、これが初めてではありません。
伊那小学校の児童(2025年3月):
「痛い、甘がみされた」
クリスターは2025年3月まで2年半の間、伊那市の伊那小学校の子どもたちが育てていました。
しかし、4年の進級のクラス替えに伴いお別れし、牧場に戻すことに。子どもたちは、ずっと自分たちとにぎやかに過ごしてきたクリスタ―が牧場で寂しがっているのでは、と新たな飼い主を探しました。
クリスターの魅力を伝えるイベントを開いたりー
児童(2025年1月):
「(何を書いてる?)小学校にクリのポスターを貼ってもらうために」
県内の学校などにチラシや手紙も送ったりー
チラシに書かれた児童の言葉:
「毎日お世話したり、一緒にお散歩したり、とても楽しく過ごしてきました」
しかし、3月までに新たな飼い主は見つからずー
児童(2025年3月):
「きょうで最後だよ」
茅野市の蓼科牧場に返すことになりました。
伊那小学校の子どもたちとお別れ―。
児童:
「クリ、大丈夫だからね」
30歳前後と高齢のクリスター。牧場では触れ合いポニーとして暮らしていましたが―。
上諏訪小学校の児童:
「かわいい~」
夏休み明けの8月、上諏訪小学校に迎え入れられました。
5年生の子どもたちが今度は自分たちが幸せにしたいと、飼うことを決めたのです。
上諏訪小学校・前田恵花教諭:
「伊那小さんからの子どもたちが作ったチラシが届いて紹介したら、『お迎えしたい』ということで決まりました」
児童:
「かわいい。まつげ長い」
5年生のクラスは、これまでもアルパカやヤギなどを飼ってきました。その経験も生かし、クラス全員で協力して飼育場所を整備しました。
児童:
「ようこそ、上諏訪小学校へ」
クリスターも子どもたちに少しずつなついていきます。
児童:
「かわいい」
「思ったよりでかかった。ポニーって言ってたから、もっと小さいと思ってた」
蓼科ポニー牧場・濱島彬祥 牧場長:
「クリスターのことをみんなが、どれだけ知るかが大切」
牧場の濱島さんから飼育する上で重要なことを学びます。まずはひづめの手入れです。
感染症予防や歩きやすくするために日々の掃除が欠かせません。
早速、子どもも挑戦!
蓼科ポニー牧場・濱島彬祥 牧場長:
「真ん中の所にも詰まっているから、これも」
ひづめを掃除した児童:
「土だから取りやすかったけど、奥の方とか取り忘れてる所があったから次からちゃんと隅々まできれいにしたい」
次は散歩。
蓼科ポニー牧場・濱島彬祥 牧場長:
「もしついてこなかったら、こっちだよって引っ張って誘導してあげます」
児童:
「はい、行きますよ~」
「何で止まった?」
しかし、クリスターは思うように進んでくれません。
蓼科ポニー牧場・濱島彬祥 牧場長:
「止まらなかったら前に立ってごらんよ」
「相手に伝わるよう自分から発信して、初めてコミュニケーションが成り立つ生き物なので、コミュニケーションの本質みたいなものとかも子どもたちがクリスターを通して学んでくれたらうれしい」
上諏訪小学校に迎えられたクリスター、新たな仲間と一緒に暮らしていきます。
児童:
「家族みたいに優しく接していきたいです」
「ずっと草食べていたり、目がクリクリなところがかわいかった。幸せに楽しくここで過ごしてもらいたい。頑張って育てます」
児童:
「ここが新しいお家だよ」