津波で役場関係者40人が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎の跡地に石碑の建立を求めていた有志の会は9月10日、町から提示されていた条件を受け入れる方針を伝えました。
今後、伝承を目的とした石碑が設置される見通しです。
10日は職員の遺族有志の会の小笠原人志代表など6人が大槌町役場を訪れ、平野公三町長に回答書を提出しました。
当初、有志の会では旧役場庁舎跡地に慰霊碑の建立を求めていましたが、町は「跡地は伝承の場であり、慰霊の場は町の追悼施設に集約すべき」として認めませんでした。
これを受け有志の会が「慰霊」ではなく「伝承」を目的とする石碑の設置を要望したところ、町は条件として「犠牲者の名前や所属した課ごとの人数を刻まない」ことなどを挙げていました。
10日、有志の会では町に対し条件を全て受け入れることを伝えました。
遺族有志の会 小笠原人志代表
「お互いに歩み寄ってここまで来たのは、その点については町に対して敬意を表したい」
大槌町 平野公三町長
「様々な機会を含めて石碑の活用についてしっかり検討して、実施していきたい」
町では石碑の建立について9月28日に住民説明会を開くことにしています。