岩手県内の8月の企業倒産の件数は3件で負債総額は2億3000万円と、どちらも前の月を下回りました。
一方で、県内の最低賃金引き上げに向けた動きが、企業倒産の勢いを強めるのではないかという懸念が示されています。
東京商工リサーチによりますと、8月の県内の企業倒産は3件で、前の月から3件減りました。
倒産件数が4件を下回るのは1年4ヵ月ぶりです。
また、負債総額は2億3000万円で、こちらは前の月から4億4100万円の減少となりました。
倒産件数を産業別にみると、建設業が2件、卸売業が1件でした。
また3件のうち1件は新型コロナウイルスの影響があったもので、県内の新型コロナ関連の経営破綻はこれで119件に達しています。
こうした中、県内の最低賃金について8月、県の審議会が岩手労働局に対し79円引き上げ、時給1031円にするよう答申しました。
1000円台となるのは初めてで、引き上げ幅は過去最大となっています。
これについて東京商工リサーチは「企業側が人員整理などを行う必要性が出てきた」として「今後は人手不足が深刻化する企業が増え、企業倒産が増勢を強める可能性がある」と懸念を示しています。