物価高の影響で人気傾向に変化?
ふるさと納税での節約旅行が注目を集めています。

フルーツや海鮮などの食品から、日用品まで豊富な返礼品で人気のふるさと納税。

返礼品だけでなく、ポータルサイトからのポイント還元も人気の要因ですが、9月いっぱいで禁止になることで、駆け込み寄付が予想されています。

一方、物価高の中で人気が高まっている返礼品があるというのです。

ふるさと納税ガイド・飛田啓介編集長:
旅行の返礼品、体験型の返礼品というものの人気が高まってきています。例えばホテルの宿泊券であったり、施設の入場券を(返礼品で)もらうことで、「旅費の節約」につなげようという需要は物価高の影響を受け、より高まっていると思う。

ふるなびの運営会社の調査によると、2025年8月までの「旅行体験型返礼品」への寄付件数は、前の年の同じ時期と比べ2倍以上に増えているといいます。

「イット!」が取材したのは、東京・台東区浅草にあるたい焼き店「浅草たい焼き工房 求楽」。

この店では3年前からふるさと納税として、「たい焼き体験」の返礼品を提供しています。
寄付額は1万3000円です。

中身はあんこの他、抹茶やカレーなど数種類から選んで、6匹のたい焼きを作ることができます。

浅草たい焼き工房 求楽のスタッフは、「多いと(月に)20件近い寄付があります。浅草も観光スポットたくさんあるので、足を延ばしてもらうきっかけになると思う」と話しました。

11日の体験者はふるさと納税を利用して来た人ではありませんが、大満足の様子でした。

体験型や旅行に関する返礼品は、多くの自治体で提供しています。

沖縄・本部町では、瀬底島のビーチでバナナボートやシュノーケリングが体験できる返礼品を提供していて、寄付額は7000円からです。

草津温泉で有名な群馬・草津町では、1万円の寄付で3000円分の温泉感謝券が返礼品として送られてきます。

町内の宿泊施設や飲食店、ジップラインといったアクティビティー施設など、多くの施設で使用することができます。

大阪の自治体では、寄付額2万5000円で大阪・関西万博の入場チケットが返礼品に。
10月13日までの開催ですが、まだ間に合うということです。

一方、豪華なランチを堪能したい人には、千葉・浦安市の返礼品「ヒルトン東京ベイ」のランチビュッフェ券。
寄付額は3万2000円です。

多岐にわたる旅行や体験型の返礼品ですが、ふるさと納税ガイドの飛田啓介編集長は、「宿泊はふるさと納税の返礼品でまかなえたとしても、食事・移動・お土産もありますし、他の部分でより経済効果が大きい。2回目以降、自費で来る方も増えてくると思いますし、将来的な波及効果も含めて、自治体としては体験型の返礼品を実施していると思う」と、自治体にもメリットがあると指摘します。