実際、「水曜日が休みだったらどんなに楽だろう」と愚痴をこぼす人はたくさんいます。X(旧ツイッター)で「疲れた」や「眠い」というワードが水曜日に急増するという調査結果もすでにご紹介しました。

「水曜日が休みだったらいい」。その通りです。一部にはそういう職種の人もいるでしょうが、多くのビジネスパーソンにとって、それは夢のような話です。

水曜日は「30分早く寝よう」

では、どうするか。心理的に水曜日を休みにしてしまいましょう。

「意味がわからない」と言われてしまいそうですが、要するに「ちょっと手を抜く日」にするのです。月、火、木、金はそれこそフルスロットルで働いたとしても、水曜日だけは8割程度に抑えます。

具体的には、残業はほどほどに、無理に仕事を引き受けない、家に仕事を持ち帰らないなどです。他人からわからない程度に、個人的に勝手なルールを作ってしまいましょう。

睡眠も同じことです。水曜日だけはいつもより少し早く寝て、週の後半に向けて余力を蓄えるようにします。

ただし、平日の寝る時間と起きる時間をできるだけ一定にするという原則から、早く寝るのは30分程度にとどめておきます。それ以上に早寝をしてしまうと、せっかくのリズムを乱してしまうことになりかねません。

水曜日はちょっと手を抜く、そういう意識をもって1週間に臨むことで心理的なゆとりができ、張りつめっぱなしの1週間よりは心身のリラックスが図られるはずです。

『「月曜の朝がつらい」がなくなる本』(三笠書房)

森下克也
心療内科医、医学博士。著書に『決定版「軽症うつ」を治す』(角川SSC新書)、『うつ消し漢方』(方丈社)、『もしかして、適応障害?』(CEメディアハウス)他、多数。

森下克也
森下克也

心療内科医、医学博士。1963年生まれ。久留米大学医学部卒業後、東京女子医科大学で8年間の脳外科医のキャリアを経て、米国へ留学。帰国後は浜松医科大学心療内科にて、全人的医療の提唱者である永田勝太郎先生に師事、漢方と心療内科の研鑽を積む。浜松医科大学病院、浜松赤十字病院、豊橋光生会病院などを経て、2006年精神科漢方の専門施設としてもりしたクリニックを開業、現在に至る。約2万人の精神疾患や不定愁訴の患者を漢方で治療。著書に、『決定版「軽症うつ」を治す』(角川SSC新書)、『うつ消し漢方』(方丈社)、『もしかして、適応障害?』(CEメディアハウス)他多数。