一連の記録的大雨で日本有数の『金魚の里』にも影響が出ている。金魚を養殖する池が浸水し、約3万匹が流失する被害に遭った玉名郡長洲町の生産者を取材した。
日本有数 金魚が特産の熊本・長洲町
8月22日に熊本県庁を訪れた長洲町の田成修一町長。「金魚の養殖池からかなり逃げた。逃げてそのまま死んでしまう、水質が変わるので…。そういった中で金魚に対する支援もいただきたい」と、一連の記録的大雨で被災した住宅や農地への支援に加え、特産の金魚の惨状を訴えた。

木村知事は「一般的な漁業関連の支援策が当てはまらないため、県と町で連携して対応したい」と述べた。
約3万匹の金魚が流失した生産者も
金魚の養殖・販売を行うアクアランド徳永の徳永吉宏さん。10日から11日にかけての大雨で養殖池付近は、膝の高さまで浸水し2万匹から3万匹の金魚が流失する被害に遭った。3代続く中でも初めてのことだという。

徳永さんは「(この養殖池には)5000匹入れていたが、おそらく100から200匹しか残っていない。被害の全容が見えてきて、ショック」と話す。

最も被害が大きかったのは『ピンポンパール』という種類で、現在の大きさでも1匹400円ほどするという。このほか、徳永さんが品種改良して、ことし初めて誕生させた金魚で、順調に成長すれば、秋には販売価格が1匹3000円になるという金魚も被害に遭った。

「一部は別の養殖池で育てていたため、助かったのが救いだ」と言うが、徳永さんは「全国的に金魚の生産者が減っている状態なので、今回の被害も私が引退間近だったら、引退のきっかけになり得るくらいの被害だと思う」と話す。

徳永さんは「金魚生産者には被災した場合の保険がない。同じような雨が降った場合に備えるための支援があれば」と話した。

長洲町によると、町の養魚組合に加盟する11の事業者のうち、ほとんどが金魚の流失の被害に遭ったということで、金魚の生産者が減少する中、町の産業を守るための支援が求められている。
(テレビ熊本)