記録的大雨の影響で、熊本県内各地では多くの車が水に漬かる被害に遭った。日本自動車連盟・JAFは現在、全国から特別支援隊を熊本に集め、レッカー移動などを行っているが、注意すべき点などを聞いた。
熊本県内2000件超のレッカー依頼
8月10日から11日にかけての記録的大雨。熊本県内各地で道路が冠水し、多くの車が水に漬かって立ち往生した。JAF熊本支部によると、8月11日から21日までに寄せられた依頼は5277件。そのうち2178件が車が水に漬かった被害によるレッカー移動だ。

大雨による道路の冠水被害が大きかった熊本市中央区段山本町では、大雨から10日以上がたっても、当時のままの状態で路上に残された車もある。
被災者は「1週間くらい待った」
取材した22日もJAFによるレッカー作業が行われていた。熊本市西区の住宅では、車庫に止めていた軽自動車が動けない状態に。依頼した住民は「(漬かったのは)中まで」と話すと、JAFの隊員たちは車のギアをニュートラルに入れ、手で押しながら作業を進めていく。

JAF神奈川支部の椎野敬博隊員は「我々が来たのが冠水が完全に引いてからなので、車の状態を見て〈結構、漬かっていたんだな〉と、今も下回りとか見ると、泥がすごいので、そういったので分かる。昨日は5件くらい(作業した)自宅に伺って、けん引して…」と話し、連日のレッカー依頼の大変さが分かる。

JAFは現在、全国から特別支援隊を集め、40台以上の規模で活動中です。被害が熊本県内の広範囲に及んでいることや、道が狭い市街地での要請が多いことなどから、なかなか作業が追いつかないという。

依頼した住民は「(大雨の)次の日には(JAFを)呼んだが、まだ全然手配ができないということで、やっと今日、1週間くらい(待った)」と話す。
エンジンかけずにJAFや修理工場に連絡を
車が水に漬かった場合、レッカー車が来ないからといって、エンジンをかけてはいけない。JAF熊本支部・推進課事業係の松永教裕さんは「車は電装品が多く使ってあるので、そういったものが水に漬かるとショートをして、最悪、車両火災につながる恐れがある」と話す。

また、火災以外にもエンジンの破損につながる恐れがある。水に漬かった車は、窓ガラスが曇っていたり、車内にカビのような匂いが充満していることが特徴だという。

JAF熊本支部は、車両が水に漬かった場合、またはその可能性がある場合には、エンジンをかけずに、速やかにJAFや修理工場に連絡してほしいとしている。
(テレビ熊本)