ポイントは1997年

さかのぼって、1997年生まれが小学校に入ったときには、教育現場で「一年生の反応がクールになった」と話題にもなったのだという。

一年生といえば、朝礼で校長先生が「一年生のみなさん」と声をかければ、いっせいに「はい」「はい」「はいっ」と競うように答えたものだったのに、それが見られない、と。

明らかに、日本全体のコミュニケーション反応に、世代間の段差が生じている。

うなずく行動もミラーニューロン効果のひとつ(画像:イメージ)
うなずく行動もミラーニューロン効果のひとつ(画像:イメージ)

ちなみに、1997年生まれのすべてがそうというわけじゃない。集団のコミュニケーション反応の低下は、3割くらいの変化で全体に広がる。うなずこうとしたとき、隣の人がそうしないと、うなずくのを躊躇するでしょう?これもミラーニューロン効果。1人が両脇の人を巻き込めるのである。

1997年生まれ以降のすべての人に、コミュニケーション反応の低下が見られるわけじゃないし、コミュニケーション反応は弱いからダメというものでもない。利点もあるのである。

とはいえ、世代全体の雰囲気であることは間違いない。このことは、おそらく、幼少期にミラーニューロンを使う機会が、1997年以前に生まれた人たちのそれに比べて減ったことに起因すると思われる。

うなずかない若者は進化型?

ミラーニューロンは、赤ちゃんのうちに人生最大に働く。これを使って発話し、歩き出すのである。でも大人になっても、すれ違う人の所作や表情にまでつられていたら危なくてしょうがないので、大人になるまでに、その活性レベルを劇的に落とすわけ。

そして、脳では、使わないと信号のコネクションが薄れる。使わない記憶が薄れていくように。