20日も東北など各地でクマの出没が相次ぎ、秋田ではクマにひっかかれるなどし1日で6人がケガをした。東京・青梅市の住宅街でも目撃情報が寄せられている。2年前にクマに襲われ大けがをした男性は「間違いなく顔に来る」と話し、攻撃の素早さや破壊力に警鐘を鳴らしている。
岩手・盛岡駅に近い市街地に現れたクマ
20日午前11時過ぎ、岩手県のJR盛岡駅からおよそ1.5キロ離れた市街地にクマが出現。
博物館の敷地内に侵入し、居座る事態となった。

増子智絵美記者:
あっいたいた。今クマが塀を乗り越えて塀に登ってとどまっています。今、顔を出して、また見えなくなりました。
サイレン 「付近の方にお知らせします。クマを刺激しないようにご協力お願いします 」

警察や市が警戒を続ける中、クマは麻酔で眠らされ捕獲された。
秋田でもクマが4人を襲撃…住宅に居座り
居座り事案は、秋田県でも発生した。
クマが侵入したのは湯沢市の中心部にある住宅。

この住宅に侵入するまでに相次いで4人を襲撃。
最初の被害は午前5時すぎ、60代の男性が背後からクマに襲われた。
続いて午前5時40分頃、犬と散歩していた40代から50代くらいの男性が、右腕をかまれ負傷。

その5分後には、ホテルの駐車場で70代の男性が背後から襲われた。
そして、午前6時20分頃、住宅前の路上で4人目の被害者が出たのだ。

4人目の被害者:(60代)
子グマでした ここ(太もも)ですからね。血は見せないようにしよう!
右太ももをひっかかれた60代の男性。一瞬のことだったという。

4人目の被害者(60代):
パトカーからの『この近くにクマがいる』との(呼びかけを)家の中で聞いて、はっきりと聞こえなかったので、外に出たら、突然正面から襲ってきた。
クマはその後、男性の自宅に侵入し、今も居座り続けている。
襲われた4人は全員会話が可能な状態だという。
20日だけで6人がクマの被害にあった秋田県。

2025年に入り1人が死亡し、負傷者は42人に上っている。
一方、東京・青梅市の住宅街などでは、20日までの一週間で11件もの目撃情報が寄せられ、住民らは不安を募らせている。

学生(20代):
怖いです。裏道にクマが出たから表通りを歩いて欲しい、複数人でって言われました。
クマに襲われ助かった男性「間違いなく顔に来る」
毎日のようにクマが出没し人的被害があとを絶たない状況が続く中… 2年前にクマに襲われ、九死に一生を得た男性に話を聞きました。

湊屋啓二さん(68):
『俺の人生クマで終わるんだな』ってもう覚悟しました。
北秋田市で菓子店を営む湊屋啓二さん68歳。

車庫のシャッターを開けたところ目の前にいるクマと鉢合わせたという。
湊屋啓二さん(68):
これはもうやられるなって思って、いきなり走り出したんですよ。後ろ向いて。そこで、10メートルいくかいかないかで倒されて襲われて。こういう感じでとにかく顔を反対方向に向けて、それで防御していた。

反射的に顔を守ったものの、頭を30針も縫う傷を負い、左目はあと5ミリ傷が深ければ失明する恐れがあったという。
そうした自身の経験から湊屋さんは広く伝えておきたいことがあった。
湊屋啓二さん(68):
クマはその攻撃力、破壊力、速さはもう想像絶するものがあるんですよ。あの体形からみて、ゆっくり動くような感じに見えるじゃない。もう全然違う!間違いなく顔にきますね 。
(「イット!10月20日放送より」)