後半戦に入ったお盆休みだが、いま帰省を憂鬱に感じる“帰省ブルー”という言葉も広がっているという。そんな中、「自分の実家には帰るが、義理の実家には帰らない」という新たな帰省のスタイル“セパレート帰省”というものが増えてきている。

帰省が憂鬱に…“帰省ブルー”が増加

お盆休みも後半戦に突入する中、実は今、帰省の形が様変わりしているようだ。
14日のテーマは「スタイル多様化“セパレート帰省”も?ソレってどうなの」だ。

14日、東京駅では、「今から千葉の鴨川(の実家)に向かいます。久々に実家に帰れるので楽しみ」など、これから帰省するという多くの人の姿が見られた。

帰省が憂鬱に感じる人も少なくないようだ
帰省が憂鬱に感じる人も少なくないようだ
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その一方で、帰省時の率直な感想についてのアンケート調査では、「楽しみ・リラックスできる」や「親に会えるのはうれしい」という回答が多いものの、中には「気を使って疲れる」や「義務感」など帰省を憂鬱に感じる人も少なくないようだ。

そんな中、“帰省ブルー”という言葉も広がっているという。

実際に街で話を聞いてみると、「昭和の育て方と令和の育て方、『こうしたらいいんじゃない?』というのが、私たちからしたら『ダメでしょ』と…。それを言われるとイラッとしたり」「(義実家で)ご飯食べるときとか、出てくるものに対して気軽に手を伸ばしにくいというのはある。自分の家にいるときにできる行動が基本的に気を使う行動になる」などの声があった。

帰省して実の親にグチグチ言われたり、義理の親に気を使ったりなどといったのことから、「帰省しない」選択をする人も増えているそうだ。

スタイル多様化“セパレート帰省”や“オンライン帰省”も

そんな中、さらに新たな帰省のスタイル“セパレート帰省”というものも生まれている。

一体どんな帰省の仕方なのか、家族の関係に詳しい神戸学院大学・鈴木洋仁准教授に聞いた。

神戸学院大学・鈴木洋仁准教授:
「自分の実家には帰るが、義理の実家には帰らない」のが“セパレート帰省”の一般的なパターン。新しい帰省スタイルがここ4~5年で急速に広まってきた。

夫婦別々で帰省する「セパレート帰省」
夫婦別々で帰省する「セパレート帰省」

例えば、妻を家に残して夫だけが自分の実家に帰省したり、夫婦がそれぞれの実家に帰省するなど、夫婦別々で帰省するスタイルのことだそう。

これまでは家族そろっての帰省が一般的だったが、東京駅で取材中、実際にお盆休みに宮城へ“セパレート帰省”した男性に会った。
話を聞くと、「宮城県に帰省していてUターンしてきたところ。妻が仕事だったので、私だけちょっと帰って。自分1人だったら、昔の友達に会ったりとかですかね。友達とキャンプをしてきました。あまり妻には言えないが、自由なんじゃないですか」と話した。

“セパレート帰省”が増えた一因には、共働き世帯の増加で夫婦が一緒に帰省することが難しくなっていることもあるという。

街では「泊まりがけはないが、夫だけ夫の実家に子供2人を連れて行ってもらったことはある。私だけ息抜き(笑)」という女性や、「(夫婦それぞれ帰省したことは)ある。片方が自分の実家に行ったときに1人は暇になれるので、リラックスできる時間がある。強制的に行くというより、行きたくないならそれは尊重した方がいいかな」という男性の声が聞かれた。

この“セパレート帰省”、鈴木准教授によると、実家側も布団や食事などの用意をしなくていいということもあるそうで、お互いに気を使わなくて済むことが最大のメリットだという。
しかし、一方で次のように指摘する。

神戸学院大学・鈴木洋仁准教授:
帰らなくなると、(義両親は)なんとなく「嫌われてるのかな」「うっとうしいと思われてるのかな」のような…。表面的な気遣いはしなくてよくなったので、お互いに気持ちは楽だが、逆に猜疑(さいぎ)心というか、お互いモヤモヤした感じが残ってしまうのは難しい。

そんな中、帰省スタイルはさらに広がりを見せているという。

神戸学院大学・鈴木洋仁准教授:
帰省はするが、宿泊先としては「ホテル帰省」みたいな形で、都市部にあるホテルに泊まる。「オンライン帰省」というので、実際に帰らないにしても、お盆の期間に一応顔は見せておくという形で、実際の帰省に伴う様々なデメリットを回避するような方法は広まっていると思う。

(「イット!」 8月14日放送より)

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