子どもが「やってみたい」と言ったのにすぐにあきらめる。習い事も続かない。
そんな悩みを抱える親は多く、かつその姿に将来を心配してしまうこともあるだろう。
3児の母親であり、ハーバード大学の小児精神科医、脳神経科学者でもある内田舞さんも、その点に共感しながらも、自身の経験から「いつかスイッチが入る瞬間がある」と語る。
初の育児書『小児精神科医で3児の母が伝える 子育てで悩んだ時に親が大切にしたいこと』(日経BP)から、一部抜粋・再編集して紹介する。
本気で打ち込むものがない子どもが心配
「すぐにあきてしまう」「できないとすぐにあきらめてしまう」「根気が続かない」「打ち込めるものがない」といった子どもの様子を心配する相談も多いです。
メディアやSNSなどを見ていると、スポーツや音楽、イラスト、プログラミング、将棋など、小さい時から打ち込むものを見つけて頑張っている子どもたちの姿をよく目にします。

その一方で、自分の子どもがだらだらとスマホやテレビを見ている姿を目にしたり、「やってみたい!絶対すぐにやめたりしないから」と言っていた習い事をあっという間にやめてしまったりすると、「このままで大丈夫だろうか」と心配になる気持ちもよくわかります。
「あきらめないで、もう少し頑張ったらできるようになるのに…」と、歯がゆい思いをすることも多いでしょう。
苦手なことに頑張って取り組めなかった
ただ、私自身は子どもの頃から、できないことに時間をかけて頑張って取り組むのは苦手でした。体を動かすのは好きなのですが、スポーツの中でも得意なものとそうでないものがあって、苦手なスポーツに頑張って取り組んで、得意になろうと思ったこともありません。