テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「戻り梅雨」についてお伝えする。
11日の宮崎県内は、突然、強い雨が降る時間帯があった。今回のポイントは、「もしかして戻り梅雨?」この先は、そう思わせるような天気となりそうだ。早速、天気カレンダーで見ていくと…

15(火)と16(水)を除いて、基本的には曇りや雨マーク。晴れ間もあるが、マークだけ見ると本当に梅雨のような空模様となりそうだ。
実は過去、「実はあの時、梅雨明けしていませんでした!」という年もあったことをご存知だろうか?気象庁は、実は「梅雨の時期の見直し」を行っている。毎年、テレビや新聞などで大々的に報じられるのは、あくまでも「速報値」だ。

「〇〇地方が梅雨入り、もしくは梅雨明けしたとみられる」と速報的にお伝えして、梅雨入りは大雨への注意喚起、梅雨明けは猛暑への注意喚起を行っている。この「みられる」という表現がポイントで、実は「速報値」の後に「確定値」というものも出している。

「確定値」は、梅雨が過ぎてから、9月頭に「速報で出した梅雨入りと梅雨明けの発表の時期は、果たして合っていたのか?」と、春から夏の天候を再検討している。記憶に新しいのが3年前の2022年。梅雨の時期の大幅な見直しを行った。6月27日に、いったん「梅雨明け」の速報を出していたが、後から梅雨明けを見直して、やっぱり7月22日だったよね、という年があった。実に1ヶ月ぐらいずれて、「あの梅雨明け後の晴れ間は、実は梅雨の中休みだった」ということになった。
ではことし2025年もそのようなことがあるのか?気象台に問い合わせたところ、「今のところ見直しの話はない」とのことだった。というのも、今回の雨の原因が「梅雨前線によるものではない」ということだ。では何が原因なのか?

その原因は、熱帯低気圧。日本付近には2つあり、南海上の熱帯低気圧は12日までに台風へと発達して、そのまま北へと進むので宮崎への直接の影響はないが、もうひとつの熱帯低気圧が西海上にあるため、反時計回りの風、宮崎にとっては東の風が吹いて、どんどん雨雲が流れ込むという状況ができそうだ。
この先は「戻り梅雨」ではなく、熱帯低気圧による雨に注意が必要だ。
(テレビ宮崎)