夏休みを利用し、5歳の男児が東京から西米良村の保育園に留学した。人口減少が進む西米良村は、手厚い保育環境を活かしたこの取り組みで、移住促進と村の魅力発信を狙う。少子化が社会問題となる中、地方の新たな取り組みとして注目が集まっている。
東京から西米良村へ!5歳児の保育園留学

8月18日、吉住だんくん(5)が西米良村立ふたば園にやってきた。「九州の自然に触れさせたい」という家族の思いから実現した、保育園留学の第1号。

まだ眠そうな様子を見せながらも、「大丈夫。(楽しい?)うん」と、園の生活を楽しんでいる様子で記者からの質問に答えてくれた。

だんくんの祖母・山本由紀子さん
5歳の夏休み、経験として思い出になればいいなと思った。川が目の前にあるのでいつでも遊びに行ける。
園児たちともすっかり仲良しに

園の子供たちともすぐに打ち解け、遊びの時間は引っ張りだこ。ボディペインティングを楽しむ姿も見られた。
岩田和博園長:
のびのびしている。前からずっといたような感じで受け入れている。

お友達にだんくんについて聞いてみると…
園児:
(だんくんは)かっこいい。あたま(がいい)
人口減少対策としての保育園留学

西米良村の人口は991人と、1000人を割り込み、子供の数も減少している。この状況を逆手に取ったのが、保育園留学。

西米良村立ふたば園 岩田和博園長:
子供の数が少ないから、より親しくなれるのと、先生が子供に比べて多いので手厚い保育を十分受けられている。

園児38人に対し、スタッフは17人。充実した保育環境で成長するだんくんの姿に、山本さんは驚いたという。

だんくんの祖母・山本由紀子さん:
給食を自分で食べていたのでびっくりした。お味噌汁をお箸で食べた、とか、家ではスプーンやフォークを使って食べているので。
移住促進、村の魅力発信へ
西米良村は、保育園留学を通して移住の促進や村の魅力発信を目指している。

黒木敦郎福祉健康課長は、「保護者の方も西米良村に来て、村のことを知っていただくことがプラスになる。今回が初めての受け入れだが、受け入れをたくさん増やして1人でも移住定住につながるのが理想」と期待を込めた。
(テレビ宮崎)