モーセは10の災いを下すが…

モーセは持っていた杖を蛇に変えるといった奇跡をファラオに見せて「本当に神様の命令なんですって!」と言いましたが、ファラオは「いやいや、俺はそんなの信じないぞ!」と余計に意地になってしまいました。

すると神様はモーセを通して、10の災いをエジプトに下しました。

神様を通してモーセが下した災いはナイル川にも…(画像:イメージ)
神様を通してモーセが下した災いはナイル川にも…(画像:イメージ)

ナイル川の水を血に変えたり、カエルやブヨやアブを大量発生させたり、家畜を疫病で全滅させたり、人々の体に腫(は)れ物を生じさせたり、国中を雷や雹(ひょう)で襲わせたり、真っ暗闇にしたり……「これでもか!」というほど、手を替え品を替え、ファラオとエジプトの国に脅威を与えました。

その度にファラオは、「わかった!もう勘弁してくれ!なんとかこの災いを終わらせてくれ!」とモーセに泣きつくのですが、災いが収束すると「やっぱりやだ!そんな神なんて信じられない!イスラエル人を解放するなんてダメ!」と言うのでした。

もしファラオが、最初に杖が蛇に変わったのを見たときに、いやせめてナイル川が血に変わったのを見たときにでも、モーセの言うこと、つまり神様の言うことに従っていれば、エジプトの民はカエルやらアブやらブヨやら雷やら雹やら疫病やらの苦しみには遭わずにすみました。

しかしファラオが頑固で「損切り」ができなかったばっかりに、民は苦しみ、国力は低下してしまいました。

ついにファラオは降参する…

神様は最終手段として、エジプト中の家の長子を殺してしまうという災いを起こしました。ファラオの後継者であった王子もこれで死んでしまいました。

これにはついにファラオもたまらず、「わかった!もう無条件に言うこと聞きます!イスラエル人は解放します!」と言いました。