使っている途中のノートが雨などで濡れてしまい、ゴワゴワに波打って使えなくなってしまった…。そんな経験をしたことがある人は多いだろう。

実は濡れたノートを復活させる方法があるという。教えてくれたのは、1930年創業のノートの製造・販売会社である大栗紙工で、Xでの広報活動をしている今城さん。

濡れたノートは「冷凍庫」へ!

「濡れたノートは『冷凍庫』に入れることで、紙の波打ちを抑えることができます。ただし、手順を守らないとガチガチに凍ったノートが出来上がるだけなので、注意しましょう」

次の工程のとおりに実践することで、ノートを元に近い状態まで戻せるという。なお、この方法は30~50ページのノートを想定している。

大栗紙工で行った実験の動画から。これぐらい濡らしたノートを…(画像提供:大栗紙工)
大栗紙工で行った実験の動画から。これぐらい濡らしたノートを…(画像提供:大栗紙工)
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(1)濡れたノートを拭く。ノートをこすらず、乾いたタオル(またはペーパータオル)で挟んで水を吸わせるように押さえると、ノートが破損しにくくなる。

チャック付き保存袋に入れ、冷凍庫へ。口は開けたままにする(画像提供:大栗紙工)
チャック付き保存袋に入れ、冷凍庫へ。口は開けたままにする(画像提供:大栗紙工)

(2)ノートをチャック付き保存袋に入れ、口を開けたまま立てて冷凍庫に入れて、24時間以上置く。

(3)ノートを冷凍庫およびチャック付き保存袋から取り出し、ペーパータオルで挟み、漫画雑誌5冊程度の重しを載せた状態で乾燥させる。濡れたページが少なければ1日、多ければ2~3日置く。

ほぼ、元通りに!書いた文字にも大きな影響はない(画像提供:大栗紙工)
ほぼ、元通りに!書いた文字にも大きな影響はない(画像提供:大栗紙工)

冷凍庫に入れることでノートが凍り、波打ちの原因となる紙の伸びを止めることができるという。

「ノートをチャック付き保存袋に入れ、口を開けたままにしておく工程には次のような意味があります。まず、ノートが庫内の壁面にくっついてしまうことを防ぐことができます。また、口を開けておくことによって乾燥を促進することができます。さらに、そのまま入れるよりも食材からのニオイ移りを防げるのです」

ノートの一部が少し濡れた程度であれば、(2)の工程を省いて(1)(3)を行えば復活させられるとのこと。

ちなみに濡れた本を「凍らせる」という対処法は、図書館が水害に遭った場合にも使われるそうだ。