玄関のガラスに、はっきりと残されたクマの足跡。
北海道で12日、クマに襲われ死亡した新聞配達員の男性は、約100メートルにわたってクマに引きずられたとみられることが新たにわかった。
10日にクマが撮影された2日後に…
住宅の玄関のガラスに残されたクマの足跡。

成人男性の手と比べると、その大きさがよく分かる。
さらに、生ゴミを堆肥に処理するためのコンポスト容器が荒らされていたことが分かった。

住宅地にヒグマが現れた北海道・福島町。
7月10日にクマが町内で撮影されていた。
その2日後の12日未明、新聞配達員の佐藤研樹さん(52)がクマに襲われ、住宅街の近くにあるやぶの中で死亡していた。
佐藤さんは、この住宅に自転車で配達に訪れ、玄関先で襲われたとみられている。

目撃した住民は、「砂利の音がして、新聞入れたんだなと思っていたら、叫ぶ声が聞こえて、玄関のドアを開けたら、目の前にクマが人間の上にかぶさるような形の状態が見えたので」、「『うわぁ、うわぁ』って言って、もう腕がなんかこうずっとこう、かまれてて、このまま引っ張られていってたんで、犬も飛びかかってるんですけど、全然クマに勝ち目なくて、そこの家の方が、物干しざおで突っついてるんですけど、全然効果なくて、そのままガーって茂みに入っていて」と語った。
クマは、佐藤さんと約20分間もみ合ったあと、腕をかんだまま約100メートルにわたって、佐藤さんを引きずっていったとみられることが新たに分かった。
13日には現場から約6km離れた場所で体長2メートルほどのクマ目撃
そして13日午前5時ごろには、佐藤さんが襲われた現場から直線で約6km離れた場所で、体長2メートルほどのクマが目撃された。

クマの目撃者は「前を見たらクマがいる。ノッソノッソ歩いてて、その間からふぅーって入っていったんです」と語った。
さらに13日午後9時過ぎにも、警戒中の警察官が今回の現場から約500メートル離れた場所で、体長1.7メートルほどのクマを目撃している。

今回の襲撃を受け、福島町には北海道で初となる「ヒグマ警報」が出された。
町内では、警察などが24時間態勢でパトロールを行うなど、警戒が続けられている。
(「イット!」7月14日放送より)