兵庫・西宮市の小学校で小学6年の男子児童が集団いじめにあった問題で、市の教育委員会が調査報告書をまとめた。

クラス29人のうち26人がいじめに関わっていたにもかかわらず、なぜ気付くことができなかったのか。

「きたない」「ゴキブリと一緒にいるみたい」集団いじめ

児童の母親:
なんで近くにいたのに、この子が毎日こんなにつらいのに、気づいてあげられなかったんだろうって。代われるものなら代わってあげたかった

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こう話すのは、西宮市立小学校に通っていた男子児童の両親だ。

児童は小学6年のクラスメイトから、「きたない」「ゴキブリと一緒にいるみたい」などと言われ、ロッカーにハンドソープを塗られたり、持ち物を消毒されたりしていた。 

児童は、2021年の4月からいじめを受けていて、11月には「適応障害」と診断され学校に行けなくなった。

児童の母親:
きょうまで無欠席で学校に毎日行ってて、『それが僕の誇りだから』って。『できれば毎日行きたかったけど、ちょっともう限界かもしれない』って。よく頑張ったな、つらかったなって

教育委員会が相談内容を学校に漏らす

学校は、別の児童から相談をうけ、いじめがあったことを把握。
聞き取りの結果、クラスの29人中26人が関わっていたことが分かった。

両親は教師たちが当初いじめという言葉を使わないなど、学校に不信感を抱き、市の教育委員会に相談。
学校との関係を気にして、相談内容を学校に伝えないよう求めたが、教育委員会は引き継ぎミスで、学校に漏らしていたことが分かった。 

教育委員会「損害賠償請求に使うな」

さらに教育委員会は、いじめの概要をまとめた中間報告書を両親に渡した際、こんな約束を求めた。

音声データ:
お渡しするにあたってお約束していただきたい事がいくつかありまして。損害賠償請求等の資料として使わないことも、そういう目的のために調査をしてるんではないとご理解いただいて

調査報告書を損害賠償請求に使わないことを求めたのだ。

児童の母親:
それを約束しないと見せないかのような…。『出します!』っていう姿勢ではなかった

文部科学省のガイドラインでは、「調査は、争訟等への対応を目的とするものではない」と記載されているものの、裁判への利用は禁じられていない。

(Q.約束しないと見せないつもりだった?)
西宮市教育委員会事務局・濱本新課長:

いや、そういうことではございません。当初からお伝えする項目については決めていて、このお願いをしたことについて、お話をしたうえでお渡しをする。こちらの思いと違うことが伝わってしまったことについては申し訳なく思う

最終報告書まとまる「同じこと繰り返されないように」

学校や教育委員会に対する不信感が増す中、両親は14日、教育委員会から一連の問題についてまとめた最終報告書を受け取った。 

報告書によると、学年担任はいじめがこのクラスでも起こる可能性があるという意識がなく、いじめに気付くことができる様々な出来事があったにもかかわらず、聞き取りを行うことを怠っていたと指摘。 

再発防止策として、一人の目ではなく、複数の教師で学年を見て情報を共有するなど、いじめを早期に発見する体制づくりをするとしている。

児童の父親:
市に対しての憎しみであったり、学校に対しての不信感は芽生えてはきたが、でも根底にあるのは同じことが繰り返されないように…と

男子児童は約5カ月間、学校に通えないまま、17日卒業の日を迎える。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年3月16日放送)

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