突然、姿を消したのは福島県二本松市で10年以上設置されていた「ブロンズ像」。窃盗被害に遭ったとみられていて、制作した彫刻家も困惑している。
突然消えたブロンズ像
盗まれたブロンズ像が設置されていたのは、二本松市のJR二本松駅の近くの住宅などが立ち並ぶ場所。現在、像が設置されていた台座には、ブルーシートがかけられている。

事件が発覚したのは7月12日。散歩をしていた男性がブロンズ像が無くなっていることに気づき、警察に通報した。

盗まれたとみられるのが「望(のぞみ)」と名付けられたブロンズ像。高さは約1.5mほどで、未来に向かって希望を抱いていきたいと空に向かい手を伸ばしていた。
犯行は7月12日未明か
像が最後に確認されたのが、11日の午後11時ごろ。通報があった翌日午前5時までの間に何者かによって盗まれたと見られている。

近くに住む人は、12日の未明に怪しい物音を聞いたという。「橋のところでガンガンガンという音がした。シャーというような感じの音もはっきり聞こえた。なんか怖いです」と話す。
制作した彫刻家も困惑
「これが盗まれたブロンズ像の原型」と話すのは、二本松市の杉内誠(すぎうちまこと)さん。被害にあったブロンズ像「望(のぞみ)」を制作した彫刻家だ。

杉内さんは「怒り爆発くらいに“この野郎“”と」を怒りをあらわにする。
簡単に盗めるものなのか聞くと「普通では絶対に盗めないと思います。人の力では動かない。どんな風にして、そっくりと盗っていったのか分からない」と困惑している。
二本松市が被害届を警察に
これまでの取材で、台座には傷が付いていなかったとみられていて、どのようにして像だけを奪ったのか分かっていない。

「本当に返してほしいですね」と話す杉内さん。10年以上、市民に親しまれてきたブロンズ像「望」。二本松市は被害届を提出し、警察が窃盗事件として捜査を進めている。
(福島テレビ)