(3)の「のんびり型」については、「トラブルは早めに開示して対応策を取るべき」という法則をきちんと理解し、実行してもらわないといけません。

「トラブルは1人で抱え込まなくていい。みんなで解決したほうが、あなたにとって良い結果につながる」と、相手にとってのメリットを伝えましょう。

「そこまでやらなければいけないのか?そもそもトラブルを報告するのは義務ではないのか?」と怒りたくなる気持ちも分かります。

報告の大切さを丁寧に教えること(画像:イメージ)
報告の大切さを丁寧に教えること(画像:イメージ)

しかし、若い頃は、トラブルを報告する必要性や、やり方を、中堅社員ほどには知らないのが普通です。丁寧に教える必要があります。

若手がトラブルなどのネガティブな情報を開示しやすくするには、普段から先輩社員が積極的に「失敗談」を話すことも有効な方法の1つです。

「上司や先輩も、昔はこんな失敗をしてきたんだ」と分かると、若手は安心し、心を開きやすくなります。「失敗談の共有」を、社内研修プログラムに取り入れている企業もあるほどです。

「ネガティブなことを報告したら叱責される」「評価が下がる」と思うと、報告をためらいがちになるものです。

若手から先輩社員までが、ビジネスに必要な情報を気兼ねなく共有でき、何でも言い合える職場環境をつくることも、成果を出すためのリーダーの大事な仕事なのです。

『若手はどう言えば動くのか? 相手を「腹落ち」させたいときの伝え方』(日経BP)

ひきたよしあき
コミュニケーションコンサルタント。大阪芸術大学放送学科客員教授、早稲田大学招聘講師。(株)SmileWords代表取締役。スピーチライター。『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)、『人を追いつめる話し方 心をラクにする話し方』(日経BP)など著書多数。世代や職種を超えて、自分と相手を笑顔にするコミュニケーションの重要性を日本全国に伝えている。

ひきたよしあき
ひきたよしあき

コミュニケーションコンサルタント。大阪芸術大学放送学科客員教授、早稲田大学招聘講師。(株)SmileWords代表取締役。スピーチライター。兵庫県生まれ。1984年、早稲田大学法学部卒業。博報堂に入社後、CMプランナー、クリエイティブディレクターとして数々のCMを制作。
ソーシャルプランニング部長職として主に官公庁向けの広告案件を担当。政治、行政、大手企業のスピーチライターとしても活動し、“人の心を動かす”原稿が評判を呼び、数多くのエグゼクティブから指名が殺到する。上場企業や行政機関、また「JFA 公益財団法人日本サッカー協会」や「浄土真宗本願寺派(西本願寺)」などさまざまなジャンルの組織でコミュニケーションスキルの指導も行い、手掛けた企業・団体は延べ300を超える。また、大阪芸術大学、明治大学、早稲田大学などで教え、中堅、新人社員となった卒業生たちを中心にコーチングを請け負う。
『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)、『人を追いつめる話し方 心をラクにする話し方』(日経BP)など著書多数。世代や職種を超えて、自分と相手を笑顔にするコミュニケーションの重要性を日本全国に伝えている。