女子児童を盗撮し、SNSで動画を共有するなどの罪で、名古屋市の小学校教師が逮捕・送検されました。勤務する小学校では保護者説明会が開かれ、怒りや不安の声が上がりました。
■学校ナンバー3の「主幹教諭」が…行事などの撮影も担当
逮捕・送検された名古屋市立の小学校の教師・森山勇二容疑者(42)は、2024年9月ごろ、女子児童のショートパンツの中の下着をデジタルカメラで盗撮し、SNSのグループに共有した疑いがもたれています。

市教育委員会によると、森山容疑者の立場は教頭に次ぐナンバー3の「主幹教諭」で、担任は持たず、遠足など学校行事の引率や児童の集合写真の撮影を担当していたといいます。
捜査関係者によりますと、森山容疑者が管理していたとみられる秘匿性の高いSNSグループには、横浜市立小学校の教師・小瀬村史也容疑者(37)ら、およそ10人の教師とみられるメンバーが参加し、70点もの盗撮動画や画像が共有されていたといいます。

小学校の校長:
森山は「学校だより」という、保護者に学校の様子を知らせる便りを作る担当者でもありましたので、学校行事の写真であったり、子供たちが活動している写真などを撮影していました。
■「いい先生」がなぜ…“ショック”で涙の保護者も
26日午後6時から開かれた説明会では、保護者から質問が相次ぎました。
保護者:
実際どこの行事に参加されて、カメラを持って撮影していたのか。
学校側:
今、警察の方が証拠を押さえながら全容解明すると言ってくれていますので…。
森山容疑者が撮影した行事などについて、学校側は「回答を控える」としました。
学校側:
どんな写真を撮って、それをどう保存しているのかという内容の確認までは行っておりませんでしたので、少なくとも管理職としてデータの内容についても確認する必要がある。
学校側はデータの内容を確認する方針を示しましたが、具体的な方法は検討中と話しました。
保護者説明会は、およそ3時間半に及びました。

保護者A:
すごくショックで涙される方もいたりとか。これからが不安というのと、データが流出しているので、それがどこまで広がっているのか。
保護者B:
隠しカメラは他にないのか。自分の子供が被害者になっているかもしれない状況の中で、それを確かめるすべがない。
阿部俊子文部科学大臣も27日の会見で、事件に言及しました。
阿部俊子文科相:
教師への信頼が損なわれるような状況が生じていることにつきまして、極めて遺憾。怒りを覚えるところでございます。断じて許せません。

森山容疑者は“相談しやすい”、“いい先生”など、児童や保護者からの評判はよかったといいます。
保護者:
子供たちにとって楽しい先生、いい先生。残念というか、ちょっと信じられない。
小学校の校長は「兆候をつかめていなかった」と話す一方で、女子児童が着替える際に、複数の女子児童が森山容疑者の不審な行動を目撃していたことも明らかにしました。
小学校の校長:
話があったのは、着替えの部屋から出た時に、廊下で森山に出くわすことが何度かあったと。複数ですね。

27日午後に会見を開いた名古屋市教育委員会は、小学校にスクールカウンセラーを複数配置することや、着替えが必要な体育の授業を中止するなどと説明し、盗撮用のカメラが他にも隠されていないか探すことを検討するとしています。
■匿名性高いSNSで共有…別のメンバーの逮捕で発覚
事件の舞台となったのが、森山容疑者が管理していた匿名性の高いSNSのグループです。グループの存在が明らかになったのは、メンバーの1人で名古屋市の小学校教員・水藤翔太被告(34)が、別の事件で逮捕されたことでした。

水藤被告は2025年1月、熱田区内の駅のホームで当時15歳の女性の後に近づき、背負っていたリュックサックに体液をかけたとして逮捕され、器物損壊の罪で起訴されています。
水藤被告のスマートフォンを解析したところ、女子児童の盗撮画像が見つかったため捜査を進め、森山容疑者と小瀬村容疑者の逮捕につながりました。
(東海テレビ)