「できていると思っているかもしれないけれど、まだ足りていないよ」

「あなたのここができていない」と否定や断定をするのではなく、「理想には、この点が足りていないんじゃないか」と言う。君の理想の実現にはまだ道半ばだと、ポジティブな期待を込めて教える。すると選手は、その足りない分をどう穴埋めしようかと考えだします。

今の若手は自信がない人が多いといわれますが、「自分はできる」と根拠なき楽観性を持って自信ありげに過ごしている人もいます。

こういう相手に対しては、「できていない」ではなく「足りていない」と言うと、相手の向上心に火をつけることができる。プロサッカーの世界は、ここまで言葉選びを入念にするものかと感銘を受けました。

仕事の質をもっと高めてほしい。もっと成長してほしい。そんなときは「ここが足りていないよ」と指摘したり、あるいは「どこが足りていないんだろう?」と相手に問いかけたりしてみる。

この方法を取り入れると、「褒める」だけでモヤモヤする気持ちが解消するのではないでしょうか。

口癖にしたい褒め言葉、3つの要素

褒めることとは、チヤホヤするでも、甘やかすでもなく、人の長所の宝探しをすること。こういうムードがオフィスに広がれば、おのずとコミュニケーションが密になっていくことでしょう。

しかし、急に人を褒めようと思っても、自分が褒めることに慣れていなかったり、ネガティブな感情に支配されていたりするようでは、「褒める」ことは苦痛でしかありません。