これを男女別で見ると、男性の平均1895円に対して、女性は2540円!

「いいね」の値段は女性の平均が416円なので、女性は顔の見える目上の相手から褒められることに、SNSの6倍以上の価値を感じていることになります。

SNSよりリアルで認められたい

SNSでの承認欲求がとかく注目されがちですが、人はそれよりもはるかに強く、「リアルで誰かに認められたい気持ち」を持っているのです。

地域などの関係が希薄になり、今の若手のなかには、親、学校と塾の先生くらいしか親しい大人がいないケースもあります。しかも、そうした大人の大半は「褒める」より「叱る」専門家のような人たちです。

「育てよう」の気持ちが強いほど悪いところを見てしまう(画像:イメージ)
「育てよう」の気持ちが強いほど悪いところを見てしまう(画像:イメージ)

子育ての経験がある人ならお分かりいただけると思いますが、子どもを育てるとき、親は子どもの悪いところをどうしても見てしまいます。動物の本能として「弱いところを強く」することが優先されるのです。

これと同じで、「育てよう」という気持ちが強いと相手の悪い面ばかりを見てしまう傾向が出てきます。さらに、新型コロナウイルス禍で行動が制限されるなかで青春時代を送ってきた。彼らには「褒める大人の絶対数」が少ないのです。

一見「褒められて育った」ように見える彼らですが、リアルに褒めてくれる大人が少ない。その反動で、SNSに自己承認欲求を満たしに行くのかもしれません。

こんな背景を知って私は、褒めることに重きを置いた講義をしています。

「褒める」は根拠のある承認のこと

しかし、「褒める」と言ってもただチヤホヤするのではありません。根拠もなく甘い言葉を投げかけるのは「おだてる」あるいは「甘やかす」行為です。