体に良くないからと極端に赤身肉を食べなくなるのはストレスの原因にもなるので、食べる頻度を減らし、魚や白身肉である鶏肉の回数を増やしてみてはどうだろうか。
がんを予防する食事として定評があるのが、地中海沿岸でとれる果物や野菜、魚などを取り入れた「地中海食」だ。
がんのリスクを下げる「地中海食」
「地中海食はオリーブオイルをたっぷり使い、魚介類やカラフルな野菜、玄米などの全粒穀物を使った食事を指します。乳製品や赤身肉を摂りすぎないのがポイントで、グリルした魚にハーブやオリーブオイルで味付けし、たっぷりの野菜サラダを添える料理などが挙げられます」

特に意識して食べたいのが野菜だ。
野菜はがん予防だけでなく、コレステロールを下げる作用や心筋梗塞・脳梗塞を予防するといった確固たるデータがある。

野菜は1日約350グラム、果物は1日約200グラムが摂取目標。
サラダは1皿だいたい100グラムなので毎食食べても足りないぐらいだ。効率的に野菜を食べるためには「温野菜」や「煮物」「炒め物」にしてみてはどうだろうか。
そして舛森医師が勧めるのが「もち麦」だ。

「白米を玄米にかえる人が多いと思いますが、もち麦の方が食物繊維が豊富です。100グラムあたりの食物繊維の量は、玄米が約3グラムなのに対して、もち麦は約11グラムあります。脂質は、玄米が2.4グラムに対して、もち麦は1.6グラム。脂質をカットできて食物繊維が豊富なので大変お勧めです」
腸内環境の維持に欠かせない食物繊維。
健康な毎日を送るためにも、1日3食と運動を心掛け、便が発する信号に敏感に反応していただきたい。
舛森悠
北海道で70〜100歳代の患者さんたちと楽しく暮らす総合診療専門医。登録者70万人の「YouTube医療大学」にて患者さんからの学びを発信中。単著『総合診療科の僕が患者さんから教えてもらった70歳からの老いない生き方』(KADOKAWA)