宮ノ下さんは、「めったにないことですが」としつつ、「まれに、米の中に卵があるとそのまま出荷してしまうこともあります」と話す。

米がコクゾウムシと接触する可能性のある場所は、玄米貯蔵倉庫か精米工場。
精米工場では色を判定して異物を排除する「色彩選別機」という機械を使い、一粒一粒をカメラで撮影し、コクゾウムシや黒く変色した米をはじいているという。この技術によりコクゾウムシの成虫が精米後の袋に混入することはほぼなくなった。
しかし、玄米の中に産みつけられたコクゾウムシの卵は同系色のため、色彩選別機では異物と判定されないこともある。そうして選別をくぐりぬけた「虫入り米」は、市場に出回ることになってしまうのだ。
出荷段階で混入している卵はどうしようもないように思える。どう対処したらいいのだろうか。
食べても問題ない!?
そんな疑問に対して、宮ノ下さんはこう答える。

「さすがに、袋からうじゃうじゃと出てきたら食べたくないと思うので、捨ててしまうのが一番いいでしょう。ですが健康に害はないので、数匹出てきた程度なら取り除いて食べてしまっても大丈夫ですよ。今はコクゾウムシが混入することは少なくなりましたが、昔はもっとたくさん見かけましたし、実は日本人は一番コクゾウムシを食べてきた民族だと思っています」

そのうえで、保存を工夫すれば、たとえ卵が混入していても繁殖を防ぐことができ、さらに、ガの一種である「ノシメマダラメイガ」の幼虫が米袋を食い破って侵入することを防ぐことができるという。
宮ノ下さんが勧める方法は次の通りだ。