西九州新幹線の並行在来線をめぐり佐賀県がJR九州に反発している。長崎本線「博多-肥前鹿島」間を走る特急列車「かささぎ」について、JR九州の古宮社長が来年春のダイヤ改正で減便する考えを示したからだ。

「約束を履行しつつ“減便”したい」

11月27日に開かれたJR九州の会見で、古宮洋二社長は来年春のダイヤ改正について次のように述べた。

JR九州 古宮洋二社長:
これまでの(県や国などとの)約束を履行しつつですね、今回は『かささぎ』については減便をしたいと思っています

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西九州新幹線の開業に伴い並行在来線となったJR長崎本線は特急列車の本数が3分の1以下の14本に激減した。
その長崎本線の「博多-肥前鹿島」間を走る特急列車「かささぎ」について、JR九州の古宮社長は、来年春のダイヤ改正で減便する考えを示した。

【画像】11月27日に開かれたJR九州の会見
【画像】11月27日に開かれたJR九州の会見

古宮社長は2022年の西九州新幹線開業から3年間は運行本数を維持するとしている県や国などとの合意について触れたうえで、この合意が「導入が断念されたフリーゲージトレインを前提としたもの」と佐賀県が主張していることについて次のように述べた。

JR九州 古宮洋二社長:
これ(国や佐賀県との合意)をゼロベースと言われるんだったら、これ(合意)自体がなければ14本も10本も言葉はありませんよね、と私は思います。この合意があるから我々はこれまで14本走らせてきていますんで

「約束と違う」減便に佐賀県は反発

一方、佐賀県は、JR九州が特急「かささぎ」の減便などの案を示したことについて、「約束と違う」などと反発した。

佐賀県地域交流部 寺田博文部長:
県としては(国やJR九州などとの)6者合意、この約束が全てだと思っていますので、(特急減便の理由として)利用状況を持ち出されるのは違うのではないかと思います

11月27日午前、JR九州の佐賀鉄道事業部の阿部俊浩部長など担当者3人が佐賀県庁を訪れ、約30分間にわたり地域交流部の寺田博文部長と非公開で面会した。

佐賀県庁を訪れたJR九州の佐賀鉄道事業部の担当者
佐賀県庁を訪れたJR九州の佐賀鉄道事業部の担当者

JR側からは利用客が少ないことなどを理由に、特急「かささぎ」を減便する一方、普通列車を増便することで利便性を維持する案なども示されたという。

これに対し県側は、「国やJR九州などとの合意が守られていない」としたうえで懸念を示した。

佐賀県地域交流部 寺田博文部長:
6者合意という約束があっても結局、(西九州新幹線開業後)3年経ったら減便という案が出される状況の中で、(普通列車の増便などの)代替案が今後も維持されるという保証も実はどこにもない

「合意時の14本維持されるべき」

これに先立ち佐賀県の山口知事は、11月26日の県議会で、特急「かささぎ」の減便をけん制する発言をしている。

佐賀県 山口知事:
6者合意はあくまでもフリーゲージトレインの導入が前提であります。その前提がない今、合意時の14本が維持されるべきものと考えます

沿線4市町も“特急本数維持”を要望

西九州新幹線の開業に伴い並行在来線となったJR長崎本線は特急列車の本数が3分の1以下の14本に激減した。
今後さらに減らされることに危機感を抱いた沿線の鹿島市、太良町、江北町、白石町の4市町は11月4日、特急の運行本数の維持をJR九州に申し入れている。

特急の運行本数維持をJR九州に申し入れ(11月4日)
特急の運行本数維持をJR九州に申し入れ(11月4日)

鹿島市 松尾勝利市長:
地域公共交通はものすごく大事なことなんですよ。今後の街づくりの存亡にも関わってくるということで、ぜひ現状のまま(の運行本数)という思いをJR側に伝えた

並行在来線の沿線では「新幹線の恩恵は全然受けていない」と不満を口にする住民も多い。
九州新幹線長崎ルートをめぐっては、「新鳥栖-武雄温泉」間の整備方式やルートだけではなく、並行在来線沿線への影響も無視できない問題だ。

サガテレビ
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