日本初の“泊まれる植物園”が誕生。
日本の植物園が進化しています。

真っ赤に染まったカエデに、東南アジアの草木が生い茂る温室も備えた植物園。
この場所で、新たな試みがスタートします。

敷地面積は東京ドーム約16個分の76.7ha。
コンセプトは日本初の“泊まれる植物園”。

29日グランドオープンを迎える茨城・那珂市の体験型リゾート施設「THE BOTANICAL RESORT 林音」です。

1981年に開園した茨城県植物園と隣接する県民の森の一部を、民間企業のノウハウを取り入れ新たな観光拠点として発信します。

室内のどこにいても自然を身近に感じられるコテージは、愛犬と一緒に泊まれる部屋など、用途に合わせたさまざまなタイプを展開。

テラスでバーベキューが楽しめるグランピング施設を合わせると、敷地内には45棟の宿泊施設が点在しています。

これまで日帰り客と植物愛好家が中心で、比較的高い年代の客層からカップルやファミリーまで、幅広い世代の集客につなげていきたい考えです。

THE BOTANICAL RESORT林音・牧野倫太郎支配人:
植物園に何度も行った経験があるが、(滞在時間は)長くて2時間くらいだったと思い、たくさんのニーズに合う楽しさを提供できるのがヒント。

全国の植物園では入園者数の減少とともに、閉園を余儀なくされるケースが後を絶たない中、“独自性”を打ち出し、集客力を強化する取り組みが広がりを見せています。

北海道・函館市の植物園では、12月から温泉につかるサルを見学することができ、2024年度の入園者数は48年ぶりに20万人の大台を突破。

函館の「冬の風物詩」として定着しています。

また京都市の植物園では、光や音、プロジェクションマッピングを使った没入型のアートイベントを開催。

植物園の弱点でもある夜に“非日常の体験”を加えたことで、2024年度の来園者数は30年ぶりに90万人を超えました。

一方、これまでの茨城県植物園は入園料を大人320円に設定していましたが、収入は年間700万円ほど。

それに対し管理費は毎年1億円を超え、改善策を模索してきました。

そこで今回「林音」にリニューアルしたことを機に、入園料をあえて無料化。

宿泊施設の整備や有料サービスを拡充することで、来場者の滞在時間を延ばし、新たな収益作りに注力しています。

約8メートルの高さを進むスリル満点のアスレチック「TOBIZARU」では、自然の中を150メートル滑走するジップラインも用意されています。

さらに、日帰り客でも利用できるサウナやカフェが併設された温泉施設。

パンケーキにサラダ、エビがたっぷりのったパスタなど、四季折々の食材を生かし、地産地消にこだわる洋食レストラン。

この他にも、結婚式の開催や体験イベントなど、ユーザーの意見を取り入れながらさらなるサービスの拡充を目指すということです。

THE BOTANICAL RESORT林音・牧野倫太郎支配人:
入園者数は従来(年間)5万人になっていたが、我々の目標は2030年度に38万人を目指していく。楽しみにしていてください。