自分の子供が「発達障害グレーゾーンかもしれない」と考えたことはあるだろうか。
近年は発達障害やグレーゾーンについての認知も広まってきたが、もし、子供の発達に遅れや偏りを感じたら、親はどう向き合えばいいのか。『発達障害グレーゾーンの部下たち』(SB新書)の著者で、心理学者でカウンセラーの舟木彩乃さんに聞いた。
人間関係や勉強…子供が抱える悩み
脳の“さまざまな機能”の発達は、生まれつきの問題を抱えることがある。この特性(症状)が、医療機関の問診や検査ではっきりと認められるのが発達障害だ。
一方、グレーゾーンは特性の傾向はみられるが、診断基準の一部しか満たさなかった、あるいは、本人が特性を抱えていることに気づいていない状況だ。どちらも、特性の影響で“苦手で難しいこと”がある。

特性は「乳幼児健診」や「就学前検診」で分かることもあるが、学校の人間関係などでトラブルを起こして初めて、表面化することも多いそうだ。
学校生活では、次のような悩みを抱えることがあるという。
・周りとコミュニケーションがうまくできない
・衝動的な行動や言動をしてしまう
・文字や計算が苦手で、授業についていけない
・テストなどでミスが多く、成績が低い
親が自己判断で伝えるのはNG
子供がグレーゾーンと思われるなら、親はどのように支えればいいのか。舟木さんに聞くと、前提となるのは「医療機関や専門家など、十分な知識がある人の判断」がない状態でグレーゾーンの可能性を伝えないことだ。
「親が安易に考えて言いっぱなしにするのは、無責任ではないかと私は思います」
子供に打ち明けるタイミングはケースバイケースだが、最低でも医療機関の診断を受けて、専門家と今後の方針を相談してから。

グレーゾーンの子供は特性の影響で、相手の意図や気持ちをくみ取るのが苦手、興味や関心のないことには集中できない、といった“苦手で難しいこと”を抱えている可能性もある。
それが分かり、改善を支援できるような手段が見つかってからが望ましいという。