そんな、ヒートショックの発生に関わってくるのが「浴室周りの環境」だ。

窓の近くは断熱性能が落ちることが多く、外からの冷気が入ってきやすい。「外気と触れる窓がお風呂にある場合は、起こりやすい環境と言えます」と、須田さんは指摘する。

窓があると寒暖差が大きくなりやすい(画像はイメージ)
窓があると寒暖差が大きくなりやすい(画像はイメージ)

浴室を暖める「浴室暖房」がない場合も、寒暖差は大きくなりがち。築年数が古い住宅は気密・断熱性能が十分ではなく、浴室に窓がある場合も多いので、特に注意が必要だという。

発生を防ぐためにできること

そこで、ヒートショックを起こさないためにできることを紹介したい。「浴室周りの寒暖差」と「その他」に分けて、次の対策ができるとのこと。

脱衣所を暖めておこう(画像はイメージ)
脱衣所を暖めておこう(画像はイメージ)

【浴室周りの寒暖差対策】
・寒くなりやすい脱衣所にヒーターなどの暖房器具を設置し、事前に暖めておく
・入浴前に浴槽のふたを開ける、熱いシャワーを出すなどして、蒸気を浴室に充満させる
・外から冷気が入るのを防ぐため、入浴中は浴室の換気扇を止める

浴槽の出入りは「ゆっくり」

【その他の対策】
・ご飯を食べた後はすぐ入浴しない(2時間以上空けておくのが理想)
・飲酒した後は入浴しない
・浴槽には足からゆっくりと入る
・浴槽からはゆっくりと立ち上がる
・長風呂はなるべく避ける

風呂の温度や入浴時間は控えめに(画像はイメージ)
風呂の温度や入浴時間は控えめに(画像はイメージ)

お湯の温度や入浴時間は個人の好みもあるだろうが、須田さんによれば、温度は40℃まで、時間は10分程度までがお勧め。もし長風呂をしたなら、浴槽から立ち上がるとき、さらにゆっくりと慎重に立ち上がってほしいそうだ。