ヒートショックという言葉で「急に倒れたりする」といったイメージを持つかもしれないが、体に少しの異変を感じたとしても、起きていることがあるそうだ。

「例えば、寒い浴室に入った時にちょっと胸がきゅっとなる、浴槽から立ち上がった時にちょっと立ちくらみがある。こうした場合は、症状が出ている可能性があると思います」
入浴の前後で体調に違和感を覚えたら、甘く見たりはせず、浴室周りの環境や入浴時の行動を見直してみてもいいかもしれない。
救急車を呼ぶことも視野に
もし、家族などの同居人にヒートショックが疑われたらどうすればいいのか。
須田さんによれば、まずは意識があるか、呼吸ができているかの確認が大切。心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患につながる可能性もあるので、意識があったとしても「胸を痛がっている」「ろれつが回っていない」などの症状がある場合は、救急車を呼んでほしいという。

「最悪の場合、心臓が止まっている場合もあるため、呼びかけに反応なく、呼吸もしていないようであれば救急車を呼び、到着までの間に、心臓マッサージや人工呼吸などの蘇生行為も同時並行できると良いでしょう」
寒い日はまだまだ続いている。入浴中に意識を失うと、浴槽で溺れるなどの二次被害が起きてしまうこともあるので、寒暖差を感じるなら、予防対策をしてもいいかもしれない。