家庭で使うなら、まず「部屋の広さと加湿能力」のバランスが重要だ。広さに見合っていないと湿度が上がりにくく、過剰だと窓が結露する、部屋にカビが発生するリスクがある。

そこで知っておきたいのが、加湿器の「定格加湿能力」(室温20℃、湿度30%で1時間あたりに放出できる水分量)。タイプにかかわらず、次の目安で選ぶと失敗しにくいという。
部屋の床面積が…、
・プレハブ洋室で8畳、木造和室で5畳なら「300mL/h」が目安
・プレハブ洋室で14畳、木造和室で8.5畳なら「500mL/h」が目安
・プレハブ洋室で19畳、木造和室で12畳なら「700mL/h」が目安
※機密性の高い家やマンションなら「プレハブ洋室」、木造なら「木造和室」で考える
「定格加湿能力は説明書などで確認できます。一般的なご家庭なら700mLか500mLがお勧めです。素早く加湿したいなら、少しだけ能力が高い製品を選んでも良いでしょう」
湿気をエアコンの暖房に“乗せる”
そして、加湿器の置き場所もポイントだ。加湿器から出る湿った空気を、エアコンの風に“乗せる”ようなイメージで置くと部屋中に行きわたりやすいという。お勧めは「エアコンの下」や「部屋の中心部」だ。

同じ室温でも湿度が10%高くなると、体感温度は約1℃上がるといい、省エネにもつながるのだとか。パナソニックの担当者は「エアコンから出る風を上手に使いましょう」と話す。
一方、“置くのに適さない場所”もあって、以下の場所はできるだけ避けてほしいという。
・窓の近く(結露やカビの原因となりやすい)
・テレビやラジオの近く(映像の乱れや雑音の原因に)
・カーテンなど、加湿器の吸気口や吹出口がふさがれる場所(誤作動や故障の原因に)

「超音波式やスチーム式は水滴がたまることもあるので、床に直接置くのはお勧めしません。置くのであれば、机や台の上が良いでしょう。また、エアコンの風が直接当たると湿度を測るセンサーが誤作動することもあるので、注意してください」
使っていいのは「水道水」だけ
また、加湿器に補充していいのは塩素処理された「水道水」のみ。浄水器の水、アルカリイオン水、ミネラルウォーター、井戸水を使うと、カビや雑菌が繁殖する原因になるという。
水道水であっても、洗剤・芳香剤・化学薬品・アロマオイルなどが混ざっていると、トラブルや故障の原因になるとのことだ。

「雑菌が増えるとヌメリが出る、生乾きのようなにおいがすることがあります。水道水でも加湿器に入れたまま放置するとよくないので、タンクの水は毎日入れ替えてください」