「主にチリダニ(ヒョウヒダニ)やコナダニが、お好み焼き粉やホットケーキミックスなどに繁殖しやすいことからこの名前が付いたといいます。ホットケーキミックスやお好み焼き粉の原材料は、ダニが好む匂いやアミノ酸類を含んでいるため、ダニが誘引されやすい・繁殖しやすいと言われています」

日革研究所では実際に「お好み焼き粉」を使い、ダニの繁殖について次のような実験を行っている。 

お好み焼き粉をシャーレに入れ、台所の保管庫の中に置いたところ、2週間後、かすかに動くダニを確認。 

常温放置した2週間のお好み焼き粉(画像:日革研究所公式YouTube動画より)
常温放置した2週間のお好み焼き粉(画像:日革研究所公式YouTube動画より)

次に、1カ月放置したシャーレを見ると、なんと、粉全体がモゾモゾと動いている!大量のダニが繁殖していることが判明した。

1カ月後には無数のダニが…(画像:日革研究所公式YouTube動画より)
1カ月後には無数のダニが…(画像:日革研究所公式YouTube動画より)

「市販のパンケーキミックスやお好み焼き粉などの食品粉末を使用して、自社でダニの増殖試験を行ったところ、3カ月で約100倍に増殖する商品もありました」

加熱してもダメ!死骸もアレルゲンに

さらに、パンケーキシンドロームが怖いのは、よく火を通して調理しても症状が出てしまうということ。

ダニは生きている状態だけでなく死骸やフンもアレルゲンとなり、たとえよく熱してもアレルゲン自体が消えて無くなるわけではない。

「開封後に常温保存で時間がたってしまった食品粉末は、ダニが大量に増殖している可能性があるため注意が必要です。家族の中にダニアレルギーを持つ人がいる場合は、廃棄を検討しましょう」

じっくり焼いてもアレルゲンは消滅しない!(画像はイメージ)
じっくり焼いてもアレルゲンは消滅しない!(画像はイメージ)

ダニの繁殖が爆発的な上、火を通しても防げないとなると、ダニが粉の中に入ってくるのを防ぐしか打つ手はない。では、一度開封した粉類はどのように保存したらよいのだろうか。